影響を受けたアーティストはマイルス･デイヴィス、ピーター･ゲイブリエル、スティング、チック･コリア、スティーヴィー･ワンダー、ジャコ･パストリアス、レニーニ、シコ･サイエンス、カルリーニョス･ブラウン他。様々な音楽のエッセンスを、自己のフィルターを通して吸収し消化していったハイブリッドな音楽性は世界中で注目を集めている。

1973年キューバのブエナ･ビスタ地区生まれ。少女時代からギターやトレスを習い､以後ピアノやベースもマスターする (アマデオ･ロルダン音楽学校卒) 。学生時代にロベルト･カルカセスと活動を開始、同時に女性5人の即興演奏グループ ｢クアジ･ジャズ｣ 、ドミンゴ･カンデラリオとの ｢ジューサ･イ･ドミンゴ｣ で活動。

2002年にパベル･ウルキサ (ヘマ･イ･パベル) のプロデュースでトゥミ･レーベル (U.K.) からデビュー作 『ジューサ』 を発表。同年WOMEX2002出演、BBCラジオ3 ｢ワールド･ミュージック･アワーズ｣ で2部門ノミネート、翌年キューパの ｢クバディスコ」 新人賞を受賞。ヴォーカリスト / ギタリスト / ソングライターとしての才能を世界中に知らしめ、新世代キューパ音楽の最重要人物、そしてワールド・ミュージック・シーンのトップ・アーティストに躍り出た。キューバ音楽、ブラジル音楽、ジャズ、R&B、ヒップホップと様々な要素がナチュラルに混じりあっていたこの作品は、ミシェル・ンデゲオチェロ、アニ・ディフランコ、ローリン・ヒル、カサンドラ・ウィルソン、シャーデー等を思い起こさせる程、今後の大きな可能性を見せつけてくれた。

以後ヨーロッパ･ツアーを中心として (2003年にはロンドンの老舗ライヴハウス｢ロニー･スコッツ｣に出演〜DVD化) スサーナ･バカ、リラ･ダウンズ、レニーニ等と共演する。2004年にはレニーニのパリ公演にベーシストとして参加、CD / DVDも発売された ( Lenine 『In Cité』 ) 。2005年にプロデューサーにデスセメール・プエノ、共同プロデューサーにロベルト・カルカセスを迎え、現代キューバ音楽の最強布陣のもとセカンド・アルバム 『ブリーズ』 を発表。ゆったりとしたグルーヴ・チューン、ファンク、ボサ・ノヴァ、ラップ、ジャズ等がミクスチュアーされたサウンドは、圧倒的なスケール感を保ったまま、ハイブリッドなメロウ感覚をさらに進化させた洗練されたサウンドとして仕上がった。

2007年には第3作 『俳句 (HAIKU) 』 を発表。録音はキューバ、ミックスはリオ・デ・ジャネイロ。日本文化を愛するジューサならではのタイトルで、 “この場所、この瞬間の情感を最小限の方法で表現したもの” というコンセプトで、曲ごとに無駄を省いたフォーマットで演奏されている。共同プロデュースのアレ・シケイラは、マリーザ・モンチ 『私の中の無限』 、トリバリスタス、カルリーニョス・ブラウン他、クオリティ高い作品ばかりを手掛け、世界中から注目されているブラジルの若手トップ・プロデューサー。

現在はアルゼンチンで活動中。リリアナ・エレーロ、ウーゴ・ファトルーソ他と交流し、同地のシーンの影響を受けながら、自己のサウンドの特徴をさらに磨き上げている。

 

（2011　　ヤマハミュージックアンドビジュアルズ）