Complete Friends Of Old Time Music Concert

ジョージア・シー・アイランド・シンガーズ、ミシシッピ・フレッド・マクダウェル、エド・ヤング...ブラック・ルーツ・ミュージックの魅力が余すところなく披露された1964年コンサートの超貴重完全収録音源

1950年代後半から興隆し、1960年前半にピークを迎えたフォーク／ブルース・リヴァイヴァル・ブーム。このブームにおける大きな意義と美点は、それまで南部や西部の辺境地で細々と活動していた名もなき優れた演奏家や歌手たちを発掘／紹介し、忘れ去られていたルーツ・ミュージックの素晴らしさを再度世間に広めたことでした。1961年から1965年にかけ、「再発見」された一連のフォーク／ブルース・ミュージシャンたちを紹介するコンサートがニューヨークで開催されましたが、このイヴェントこそがフォーク・ブーム最大の偉業ともいうべき「フレンズ・オブ・オールド・タイム・ミュージック」です。同シリーズ・コンサートは計14回の開催を重ね、大きな成功を収めました。この「フレンズ・オブ・オールド・タイム・ミュージック」の音源は、全14回のコンサートの録音から55トラックをセレクトし、CD3枚に収録したボックスセットとして現在も国内流通しています（サンビーニャ・インポート　FLSI-70001）。こちらではドック・ワトソンを筆頭に、ビル・モンロー、ロスコー・ホルコム、ミシシッピー・ジョン・ハート、ジェシー・フラー、ドッグ・ボッグス、フレッド・マクダウェル、ジョセフ・スペンス他のパフォーマンス音源を収録。豊富なスナップショットと詳細な解説が掲載された55ページのブックレットも、非常に秀逸な仕上がりです。

そして今回ご紹介するのは、その「フレンズ・オブ・オールド・タイム・ミュージック」の収蔵音源より、1965年4月のフル・コンサート音源を完全収録したブラック・ミュージック・ファン垂涎の一枚、『ザ・コンプリート・フレンズ・オヴ・オールド・タイム・ミュージック・コンサート』です。

主な収録はジョージア・シー・アイランド・シンガーズ、フレッド・マクダウェル、そしてエド・ヤング。ジョージア・シー・アイランド・シンガーズは、ジョージア州グリン郡セント・シモンズ島にある防波島で発展したアフリカ系アメリカ人コミュニティ〈ガラ・ギーチー〉の伝統歌の歌唱によって広く名声を得ました。メンバーの大半はセント・シモンズで生まれ育ち、同島の綿花農園に従事していた西アフリカ人および中央アフリカ人奴隷に祖先を持ちます。よってその音楽性もハンドクラップやストンプなどを伴うアフロ色濃厚なサウンドが印象的で、演じるのは同地の伝統的なゲーム・ソングや、黒人霊歌、労働歌などが中心。

続いてはミシシッピ出身の伝説のブルースマン：フレッド・マクダウェル（1904-72）。農夫や工員として働きつつ、週末にブルース演奏を楽しんでいた彼は、59年、民俗音楽研究家：アラン・ローマックスおよび英国の伝統フォーク歌手：シャーリー・コリンズ（1935- ）によって発見され、人生初のフィールド・レコーディングを経験しました。スライド・ギターの名手として知られる彼は、ボニー・レイットやローリング・ストーンズなどが心酔した存在として有名です。

そして北ミシシッピ州出身のファイフ／ドラム奏者のエド・ヤングの存在は、ブラック・ルーツ・ミュージック・ファンの方ならご存知の方も多いはず。６つの指孔を持つ横笛：ファイフとドラムによる演奏は非常にプリミティヴで、日本の祭ばやしなどにも類似したフィーリングを持ちます。本作ではジョージア・シー・アイランド・シンガーズと共に、彼とパートナーのロニー・ヤングが共作したオリジナル・ソング‘Chevrolet’を快演。

スピリチュアル、労働歌、ブルース、ゲーム・ソングなど、ブラック・ルーツ・ミュージックの魅力がたっぷりと披露された素晴らしいコンサートの音源。もちろん音質も文句なしの素晴らしいクォリティです。ブラック・ミュージック・ファンの方、ルーツ・ミュージック・ファンの方は必携の一枚です！

※日本語解説／帯付き

(メーカー・インフォメーションより)