太陽系という意味のバンド名…
コロンビア北部の都市で、クリエイティヴなミュージシャンが多い、
と言われているBarranquilla(バランキヤ)からも、
そう遠くはない漁村Taganga(タガンガ)
を拠点に独自の音楽を創造し世界に向けて発信している、
7人組エレクトロクンビア系バンド
Systema Solar(スィステマ・ソラール)の、
コロンビアや日本では2016年発売、米国では2017年1月発売の新譜アルバム
「Rumbo a Tierra」(ルンボ・ア・ティエラ/Toward The Earth)
全11曲計44分。
ラテンアメリカ系の人達の話によると、
EDM系のダンサブルな楽曲アルバムでありながらも、
鉱山開発による地球環境破壊や旱魃等の地球環境問題やその他の社会問題…
みたいな部分へのメッセージ性も含んだ楽曲を創造発信している、
そういうアルバムなんだとか。
…スペイン語初心者の自分にはまだ、パッと歌詞を耳で聴いただけでは、
そこまでは分からず、今はまだ主に、
ダンサブルなアフロコロンビアンサウンドを楽しむ、
ってだけなんだけれど…。
でもまぁ、
3曲目「Aguazero」(アグアセロ)…水がゼロ…とか、
6曲目「Pa’ Sembrar」(パ・センブラル/to plant/植える、種をまく)…とか、
7曲目「Somos La Tierra」(ソモッラ・ティエラ/We are The Earth)
とかは、曲名からも漠然と、
社会的メッセージ性がある曲なのかな、って部分は窺い知れる、
そんな感じでは、あるけれど。
自分がこのアルバムを知ったのは…日本では去年既に発売になってたと、
後から気付いたんだけど、今年の1月上旬に、米国では今年1月発売ってことで、
毎週聴いているNPRのAlt.Latinoで、この1月から春先までの時期の
注目の新譜アルバムってことで、このアルバムの
7曲目「Somos La Tierra」(ソモッラ・ティエラ/We are The Earth)
が放送内で流れて、
あと、このバンドに関する個人的エピソード等が語られていて、
へぇ、と思って興味を抱いたからだったんで…
地元の鉱山開発に対する地球環境破壊という観点からの批判メッセージが
込められているというエレクトロクンビア曲の
「Somos La Tierra」
は、歌詞はサビ部分以外ほとんどよく分からなくとも、
スロー気味なようでもノリのいいインパクトのある曲なんで、やっぱり、
収録曲中で1、2を争う印象に残る曲だな、
という感じだけど他の曲も、色々印象深く…ダンサブルなノリのよさ、
って意味では、
8曲目「Mi Caribe」(ミ・カリベ)は純粋にノリのいい、
アフロコロンビアンEDMって感じだし、あと、
9曲目「Champe Tabluo」(チャンペタブルオ)は…、
コロンビア発祥の音楽ジャンルの1つ「Champeta」(チャンペタ)
と関連がある曲なのかな、と漠然と想像するんだけど、
現状の自分は「Champeta」(チャンペタ)について、まだよく知らないんで、
何とも…聴いてる印象では、
ファンクやソウルっぽい要素も混ざってる気がするし…
あとR&Bやヒップホップ要素も入ってる…
まぁ、そんな色んな要素が混ぜこぜになりながら、かつカッコイイ仕上がり、
という意味でも印象深い曲。
10曲目「La Plata」(ラ・プラタ/The Silver)は、
アフロコロンビアンなリズムと電子音楽要素とヒップホップとが融合した、
勢いのあるEDM曲で、高音のサビのフレーズもインパクト大。
あと…
5曲目「Alo?」(アロ/hello)は…第一印象的には少し、
ポルトガルのBuraka Som Sistemaっぽい曲だな、という印象を受けて…
何でだっけ?と思ったらBuraka Som Sistemaの「Eskeleto」(イシュケレトゥ/skeleton)
って曲でも、アロ!アロ!ってフレーズが印象に残るEDM曲だったからか、
と思い出したり、曲のその他の部分の詳細は全然違う2曲だけれど…
まぁ、ともかく、この5曲目のも、
勢いとインパクトが絶大な曲だったな、と…。
…何にしても、
このアルバムのどの収録曲も、
根底には、力強い生命の息吹…的なモノを感じる、
そういう楽曲群だな、と…。
…余談で、
コロンビアの音楽と言うと、自分はまだ最近やっと、
クンビアとVallenato(バジェナート、バイュェナート)の違いくらいは、
識別出来るようになったけど…
Bambuco(バンブゥコ)、
Bullerengue(ブジェレンゲ、ブイュェレンゲ)、
Chirimia(チリミア)、
Champeta(チャンペタ)、
Gaita zuliana(ガイタ・スリアナ)…等々、コロンビアには他にも多様な音楽が、
あるようだけど…まだ現状自分の中では、
その夫々を個別に、違いを識別してコレはコレ、アレはアレ、
と完全に把握出来てるわけじゃないので…
…あ、そう言えば…アフロ・コロンビアン系のパフォーマーで、
音楽ジャンル的にはクンビアとか先住民族系なサウンドの歌手でダンサーの
Toto la Momposina(トト・ラ・モンポスィナ/1940-)は、
アフリカからの音楽要素、
コロンビア現地の先住民族の音楽要素、
そして植民地支配した征服者であるスペイン由来の音楽要素、
そういうモノが融合して成立したコロンビア音楽の世界における、
芸歴53年以上の人間国宝的レジェンドだけど、
彼女のやってる音楽やダンスが、ブジェレンゲってことで、
いいのかな…ただやっぱ、コロンビアの他の民族音楽系ジャンルとの違いが、
まだはっきりとは、自分の中で把握出来てないんだよね…
あと、チャンペタってジャンルは、
カルタヘナやバランキヤに住むアフリカ系住民の間から生まれてきた、
アフロコロンビアンな音楽ジャンルってことらしいから、
このSystema Solarというバンドとも、
無縁ではない、いや切り離せない、音楽ジャンルなのかもな…
とは思うんだけど……
まぁ、今回のこのSystema Solarの楽曲を含め、
その他のコロンビアのバンドの曲等に、今後も縁がある度に触れていって、
徐々に、
今はまだ曖昧にしか分からない多彩な音楽ジャンルの1つ1つについて、
もっと馴染んで、分かるようになれれば、より楽しいかな…
ということで、
今回、縁があってこのアルバムを買って聴けたことで、
また更にコロンビアの音楽に関しての興味も増してきたし、何より、
このアルバム自体、
ノリノリでテンション上がる系の楽曲が詰まった44分間なので、
今後も繰り返し聴いて楽しみたいな、
と思えているので、買った甲斐があったと満足しています。