Branches Of The Same Tree

アフリカ＝カリブ＝アメリカを結ぶグローバルなアフロ・レゲエ！

　ミュージック・マガジンの“ベスト・アルバム2014”のレゲエ部門で５位にランクインしたティケン・ジャー・ファコリーの活躍もあり、アフロ・レゲエというジャンルはアフリカ音楽とレゲエの両方のファンの間で幅広く認知されるようになってきました。そんな中、またひとり重要なアクトがシーンを揺るがしそうです。それがこのロッキー・ダウニです。
　スティーヴィー・ワンダー、ピーター・ゲイブリエル、ボノといったビッグ・スターらとステージを共にしたこともあるロッキー・ダウニは、西アフリカ・ガーナの出身。現在アメリカ・ロサンジェルスを拠点に活動を行っている彼は、アフロビートの創始者フェラ・クティと、レゲエの神様ボブ・マーリーから多大なインスピレイションを受けて音楽を始めたそうです。そんな彼だけにその音楽性からはアフロビートとレゲエの要素が強く感じられますが、一方でグローバル・ポップスやニューオーリンズ音楽、サンバなどといった様々な音楽の要素を散りばめ、その独自性を追求してきました。そしてこれまで５枚のアルバムをリリースしてきた彼は、「アフリカの10大グローバル・スターのひとり」とＣＮＮで紹介されるなど、アメリカで高く評価されるまでになりました。
　そして６枚目のアルバムとなった本作『ブランチズ・オヴ・ザ・セイム・トゥリー』（“同じ樹の枝たち”の意味）は、人気ワールド・ミュージック・レーベル“クンバンチャ”からの初めてのリリースとなりました。ルーツ・レゲエをメインとする音楽性ですが、そこからはさらにアフロビートやサンバ、ヒップホップ、ダンスホールなどの要素も感じられなど、今時のアーティストらしい柔軟性が感じられます。加えてボブ・マーリーの｢バタフライ｣「ゲット・アップ・スタンド・アップ」のカヴァーを取り上げるあたりからは、自身のルーツを忘れないという芯の強さも感じさせます。
　とかく難しい方向にいきがちな現在のレゲエやアフロビートにおいて、ここまで素直かつポップな作品は珍しいかも。そしてアフリカ＝カリブ＝アメリカを結ぶグローバルなアフロ・レゲエを楽しむには打って付けの内容と言えそうです。
　是非本作を聴いてハッピーな時間を楽しんでください！ （メーカー／インフォメーションより）