福島第一原発事故の「真実」 ドキュメント編 講談社文庫

NHKメルトダウン取材班

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065328170
ISBN 10 : 4065328179
フォーマット
出版社
発行年月
2024年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
384p;15

内容詳細

東日本壊滅はなぜ免れたのか? 取材期間10年、1500人以上の関係者取材で浮かび上がった衝撃的な事故の真相。
他の追随を許さない圧倒的な情報量と貴重な写真資料を収録した、第一級のノンフィクションがついに文庫化。ドキュメント編は、事故発生の経過を緊張感溢れる迫真の筆致で描く

思いも寄らない真相が次々明らかに
真相1 吉田所長の英断「海水注入」はほとんど原子炉に届かなかった
真相2 1号機で唯一残された冷却装置は40年間にわたり「封印」されてきた
真相3 原子炉を救う減圧装置には、高温高圧になると動作しにくくなる弱点があった
真相4 2号機の消防注水の失敗が皮肉にもメルトダウンの進行を遅らさせて「最悪の事態」を防いだ
真相5 巨大な津波に備えて、津波対策に着手していた原発があった

東日本壊滅が避けられたのは偶然の産物だった!?
極限の危機。核の暴走を食い止めようと、吉田所長らは、爆発や被ばくの恐怖と闘いながら決死の覚悟で現場にとどまり、知恵を絞り出して、原子炉に水を入れ続けた。幸いにして、格納容器の爆発は免れた。当時の政府のシミュレーションでは、最悪の場合、福島第一原発の半径170キロ圏内がチェルノブイリ事故の強制移住基準に達し、半径250キロ圏内が、住民が移住を希望した場合には認めるべき汚染地域になるとされた。半径250キロとは、北は岩手県盛岡市、南は横浜市に至る。東京を含む東日本3000万人が退避を強いられ、これらの地域が自然放射線レベルに戻るには、数十年かかると予測されていた。
10年にわたる取材で、この最悪シナリオが回避されたのは、消防注水の失敗や格納容器のつなぎ目の隙間から圧が抜けたりといった幾つかの偶然が重なった公算が強い。この事故では、当初考えられていた事故像が新たに発見された事実や知見によって、どんでん返しのように変わった例は枚挙に暇がない。この極限の危機において、人間は核を制御できていなかった。それが「真実」である

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読書メーターレビュー

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  • moonlight さん

    東日本大震災の津波で全電源喪失した福島第一原発。資材も人材も、そして水も食糧も乏しい中、高い放射線に曝されながら不眠不休で尽力した現場の人に頭が下がる。最悪の場合、北は盛岡南は横浜まで避難区域になる事態を免れたのは間違いなく現場の人々のおかげ。しかし、神仏のご加護としか思えない僥倖もあった。未だに検証できていない事もある。狭い国土に複数の原発がある日本、決死の覚悟のヒーロー頼みや神頼みではなく、事故から学んで非常時の備えをしなければ、この渾身の取材と当時の現場が泣くだろう。

  • kokoberu さん

    一気に読みきった。後の検証で事態が最悪までエスカレーションしなかったのは、偶然によるものだったことが判明し、本当に空恐ろしい気持ちになる。特に半径250キロに避難勧告を出す可能性があった4号機の使用済み燃料なんて、プールに水があったのは定期検診のため偶然水が満水だったから、最悪の事態を免れた。

  • にやり2世 さん

    あの時現場にいなかった人たちの検証なんて「何とでも言えるじゃん」ってことになるだろうから読むの躊躇したけどこの本は現場の様子を丁寧に掘り下げててなんかホッとした。

  • ごまだんご さん

    最初から最後まで怖い。もうこれで終わりだ、と思わせる展開がいったい何回あったのか。もし映画なら完全に破綻しているストーリー。大切なのは現場のプロを信頼する勇気と、それを理解した指揮命令系統だった。そして、これだけの情報量を一般向けにまとめ上げたNHKの取材力の凄さよ。

  • 風鈴 さん

    今回はドキュメントから読んでいきます。東京電力のテレビ会議を通して得た状況を政府にも隠していたことは、あきれます。他の方も書いてますが、現場の神格化をしないで、淡々と描写するのは良かったです。私はあまりヒーローめいた人には興味ないからですね。関係ない話ですが、最近の風潮でやたらと神○○とか言いますけど、見るに耐えないですね。良い大人が言ってるのが恥ずかしい。 次は、検証編を読みます。

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