Born In Black & White

マイルス・サンコという聞き慣れない名前。それもそのはずイギリスのマイナー・シーンでようやくこのアルバムがリリースされたばかりの新人シンガーだ。が、よくよく調べてみると、なんとあのスピードメーターのフューチャリング・シンガーとしても活躍歴があり、二年程前にはスペシャル・ゲストのビリー・ウッテンと共に来日公演経験もあった。道理でホーン・セクションが派手に鳴り響くサウンドに負けないパンチの効いた歌を聴かせてくれる訳である。勢い100%のジャンプ・ナンバーでほぼ埋め尽くされた痛快なデビュー作、いよいよ日本初登場である。

そんなマイルスだが、まだ細かなバイオは不明。歌のグルーヴ感からは時折ロックのテイストを感じさせてくれる瞬間もあり、アルバム・タイトルのとおり、白人の血も混ざっているかもしれない。基本は本人のフェイヴァリットであるオーティス・レディングやジェイムス・ブラウンらのような唱方、曲調だが決してコテコテ方向一辺倒ではなく、「Distant From You」のようなノーザン・スタイル、と言うかスタイル・カウンシルあたりに通じるようなキラー・トラックも収録されている。唯一のバラッド・タイプ「Come On Home」での心に訴える歌も、ロック方面のブルージー感覚が大きいようで、懐の深さを感じさせてくれる。いずれにせよどこまでブレイクしてくれるか、とても楽しみな大型新人の登場だ！
*解説：池谷昌之
（メーカーインフォメーションより）