Elvin Jones Project

現在25 歳、アトランタ生まれのベーシスト、マイケル･フェインバーグが音楽的に大きくインスパイアされたというエルヴィン･ジョーンズの音楽を取り上げ、NY中心にパーマネントで活動するプロジェクトの記念すべき作品。

エルヴィン･ジョーンズと言えば、言わずもがな、ジョン･コルトレーンの黄金のカルテット時代のドラマーであるわけですが、このプロジェクトの興味深いのは、60 年代のコルトレーンとの時代を含め、70, 80 年代、各時代の音楽を取り上げていることと言えましょう。

ドラマーには、エルヴィンと2 歳違い、フェインバーグ自身が最もエルヴィンに近いスタイルを感じるというビリー･ハート。フロントには、実際にエルビン･ジョーンズとも共演経歴があり、現代において、目先の新しさに惑うことなく時に求道的なものも感じさせる気骨溢れるジョージ･ガゾーンと、ティム･ヘイガンズ。ピアノには、エスペランサ･スポールディングスのグループに抜擢され俄然注目を集めつつある、レオ･ジェノヴェーゼ。腕の立つ面々によって、ジャズの歴史を生き、時代を創ったエルヴィン･ジョーンズの様々な側面が描き出されます。

オープニングは、エルヴィンのコンポジションによる82 年の作品から。コルトレーン的なものが出てくるかもというリスナーの予想を潔く裏切り、エレピをフィーチャーしてのシュールなサウンドで口火を切りつつ、これぞColtrane！の“Miles Mode”(62 年『Coltrane』収録) へプレイ･バック。この2 曲で、このプロジェクトの幅と、リーダーの愛情が溢れます。他、70 年代の重要人物、スティーヴ･グロスマンの曲をフィーチャーしたM-3、同じく70 年代のM-5 にオリジナルも一曲(M-4) はさ み、ラストは再び80 年代へ。エルヴィン･ジョーンズの歴史も垣間見る注目の一枚です。(新譜インフォより)

Michael Feinberg (b), Billy Hart (ds), George Garzone (ts), Tim Hagans (tp), Leo Genovese (p key)