Mavis Staples

Mavis Staples (メイヴィスステイプルズ) プロフィール

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近年、巷で話題となっている”ヒーリング・ゴスペル”と名づけられた所謂”癒し系”のゴスペルとは明らかに一線を画す”ルーツ・ゴスペル”。しかし、彼女、メイヴィスのその力強いヴォーカルとリズム感、もまたある意味、この分野においては異色であり、その存在感たるや、同じゴスペルをルーツに持つアレサ・フランクリンとも渡り合えるほどだと言っても過言ではない。

地元シカゴの教会で幼い頃から歌い始めたメイヴィスが、父”ポップス”ことローバックを中心とするファミリー・ゴスペル・グループ、ステイプル・シンガーズの一員となったのは彼女がまだ弱冠11歳、1951年の事だった。’53年にシカゴのレーベル、ユナイテッドからレコード・デビュー、その後、’61年リヴァーサイド、’64年エピックから次々に作品を発表、ゴスペルの世界で大きな成功を収めた。すでにグループの”顔”として活躍していた彼女だが、この時代には、公民権運動の高揚などと相俟って、ボブ・ディランスティーヴン・スティルス等、フォーク系の曲を好んで取り上げていた。

’67年にはR&B界のプロデューサーを起用し、R&Bナンバー2曲をポップ・チャートに送り込んだ彼等は翌’68年、スタックスと契約。まさに彼等にとっての黄金時代を迎える事となる。’70年のセルフ・タイトル・アルバムから、レーベルのオーナーでもあるアル・ベルをプロデューサーに起用、’71年に姉パーヴィスが抜け、メイヴィスの一つ年上のイヴォンヌが参加して発表されたのが、彼等の最高傑作と言われる「Be Altitude:Respect Yoursef」だ。タイトル曲「Respect〜」に続き大ヒットとなった「I'll Take You There」は、R&B、ポップ両チャートでNo.1に輝いた。ここでのメイヴィスのエモーショナルなヴォーカルはまさに絶品。

彼女はこうしたグループでの活動と平行して、’69年からソロとしてもキャリアをスタートさせ、スタックス傘下のヴォルトからスティーヴ・クロッパー制作の「Mavis Staples」と翌、’70年、ドン・デイヴィス制作の「Only For The Lonely」を発表。R&Bチャート最高13位を記録した「I Have Learned To Do Without You」等、そのダイナミックなスタイルは他を圧倒するほどの素晴らしさだった。’73年、「I'll Ta 〜」に次ぐR&Bチャート1位となった「If You're Ready(Come Go With Me)」を最後に、’75年スタックスが倒産。

カーティス・メイフィールドのレーベル”カートム”に迎え入れられ、再スタートを切った彼等は、シドニー・ポワチエ主演映画「Let's Do It Again」のサントラを手掛け、これまでのメッセージ・ソングとは180度違うラヴ・ソング「Let's Do It Again」で再び、R&B,ポップの両チャートを制覇。’76年からはワーナーに移籍、グループ名を”ザ・ステイプルス”と改名するも、ヒット曲に恵まれず、一時レコーディング活動を休止。’84年、プライヴェイト・アイに移籍後再び、ステイプル・シンガーズとして活動を再開。

一方、ソロとしても地道な活動を続けいたメイヴィスは、あのプリンスとの運命的な出会いによって、’89年、彼のレーベル、ペイズリー・パークから起死回生の傑作「Time Waits No For One」を発表。全盛期を担ったアル・ベルとプリンスとの共同プロデュースによって制作されたこのアルバムは、チャート・アクションこそ芳しくなかったものの、らしさを活かしつつも、その斬新なサウンドは往年のメイヴィス・ファンを満足させるに充分な刺激的なものであった。一見、ミス・マッチと思えるこのコラボレイトは、プリンスの映画「グラフィティ・ブリッジ」のサントラでも見事な効果を上げ、その曲「Melody Cool」はまさにタイトル通りのクールなナンバーだった。

’91年、ビービー&シーシー・ワイナンズがカヴァーしてR&BチャートNo.1に輝いた「I'll Take You There」にゲストでフィーチャーされ、まさに魂を揺さぶるかの様な貫禄のヴォーカルを披露した彼女は、’93年再びプリンスと組んでアルバム「The Voice」を発表。メイン・プロデュースはリッキー・ピーターソンが手掛けているが、ほとんど楽曲はプリンスによる(共作も含む)もので、エグゼクティヴ・プロデューサーは勿論プリンス自身が担当。前作に比べ、よりファンク色を打ち出したそのサウンドと、53歳ながらもまったく衰えを感じさせないメイヴィスの圧倒的な存在感とが、見事な相乗効果を生み出し、ファンクとゴスペルの理想的な融合をここに実現させている。

’96年、ラッキー・ピーターソンを従え、ゴスペルの母、マヘリア・ジャクソンへのトルビュート・アルバム「Spirituals & Gospel」発表後、主だった活動を耳にしないのは残念だ。

同世代のアレサやパティ・ラベルとも肩を並べるほどの実力と存在感。ゴスペル・シンガーとしての誇りと相反する柔軟性をも兼ね備えたメイヴィス。後世の多くの女性アーティストに影響を与えたその功績は、もっと日本でも評価されるべきだろう。

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