UKフォーク・シーンの重鎮が、忘れじのアパラチアン・フォークの魅力を伝える!
UKフォーク・シーンに70年代中盤に登場、その卓越したフィンガー・ピッキング・ギターとバンジョーの演奏で注目を集めてきた重鎮が、1953年生まれの男性音楽家マーティン・シンプソンです。14歳のころより人前で演奏してきたというマーティンは、その後ローカルのフォーククラブで演奏を開始。76年にアルバム“Golden Vanity”でソロ・デビューを飾ると、フォーク・ロック・バンド“スティーライ・スパン”とツアーを回るなどして人気を博すようになりました。その後はUSAを拠点に活動するようになりましたが、現在は再びUKに拠点を戻し活動しています。
そしてUKフォークの伝統に根ざしたギター演奏を中心としたインストルメンタル曲や、渋い歌声によるヴォーカル・ナンバーをじっくりと聴かせてきたマーティンが今回発表したのは、ドイツ生まれの米国人ミュージシャン/プロデューサーのトム・ユッツとのコラボ作で、長い間忘れ去られてきたアパラチアのフォークソングにスポットを当てた内容です。ここで取り上げているのは、英国人フォーク・ミュージック収集家/音楽家/作曲家であるセシル・シャープ(1859-1924)が、1916年から1918年にかけて収集したアパラチアのフォークソングの数々で、その収集調査の旅で出会ったメアリー・サンズとジェーン・ジェントリーというふたりの女性歌手が、セシルに教えたというたくさんの歌のコレクション(その中には英国由来と思われる曲もありました)を、2022年にマーティン・シンプソンとトム・ユッツが厳選。彼らのギター演奏を中心にアレンジした楽曲がこのアルバムに収められています。
そんな本作には5人の偉大なUKフォーク・シンガー(Cara Dillon、Fay Hield、Seth Lakeman、Angeline Morrison、Emily Portman)がゲスト参加、その歌はUKで録音を行いました。さらに5人の偉大なアパラチアン・フォーク・シンガー(Dale Ann Bradley、Sierra Hull、Justin Moses、Tim O'Brien、Tammy Rogers、Odessa Settles)も別で参加していて、彼らの歌はアパラチア山脈にほど近いナッシュヴィルで録音しました。なおマーティンとトムも一部の楽曲で歌声を聴かせています。
アパラチアン・フォークの魅力をギター中心の卓説した演奏で楽しめると共に、UKフォークとの繋がりも感じとれるのが本作最大の魅力。是非とも双方の音楽ファンに注目して頂きたい作品です。
(メーカー・インフォメーションより)
UKフォークの重鎮、マーティン・シンプソンと米国人ミュージシャン、トム・ユッツのコラボ作。20世紀初頭に収集されたアパラチアン・フォーク・ソングをギター演奏を中心にアレンジ。UK&アパラチアン・フォーク・シンガーが多数ゲスト参加している。(CDジャーナル データベースより)