Les Paul

Les Paul (レスポール) プロフィール

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演奏者でありギター開発者としても知られ、アメリカン・ポピュラー・ミュージックに言葉では言い表せないほどの多大な影響を誇ったレス・ポール。今もマンハッタンのジャズ・クラブで頻繁に演奏しているのだろうか。彼は今も生きた伝説と呼ばれる存在である。彼が開発したギブソン社の人気モデルの名前で、レス・ポールの名を知っている音楽ファン人はかなり多いだろう。また彼は多重録音の技術を自らのアイディアで生み出しており、今でいうエンジニアとプロデューサーを兼ねたような要素を持った音楽家でもある。

1915年6月9日、ドイツ系移民の血をひくレス・ポールは米ウィスコンシン州に生まれた。フランスきってのジャズ・ギター、ジャンゴ・ラインハルトに多大な影響を受けたというレス・ポールだが、三連譜を多用したフレージング、ビ・バップの影響を直接受けていないという世代的な相似から、彼らの特徴には驚くほど近いものがある。しかしその一方で、レス・ポールはそのハードなスウィングスタイルに、カントリー&ウエスタンの要素、トリッキーで華麗なフィンガリングといった要素を巧みに織り込み、独自のスタイルを築きあげていったのは特筆すべきところだ。そうしたことに関連するかのように、ジャンゴ・ラインハルトがアメリカを訪れた際には、二人は共演し互いにリスペクトを表わしたという。50年代初頭のキャピトル・レーベルからの作品でヒット・チャートの常連となるレス・ポールだが、ジャズメンとしてのレス・ポールを堪能したいリスナーは、初期のデッカ、キーノート、V−ディスクといったところで彼の音楽に触れてみるのも一興かもしれない。

レス・ポールが、そのポップ感溢れるギター・スタイルで人気者となるのは、33歳のときに結婚してデュオ・チームを組んだメリー・フォードとのコンビでのこと。40年代末期からのキャピトル・レーベル、50年代末期からのCBSレーベルで数多くのヒットを生んだ。彼らが最初にヒットを生み出したのは1948年ごろのことで、8本のギターを多重録音したという“ラヴァー(Lover)”と“ブラジル(Brazil)”をカップリングした盤がそれだ。また3年後の1951年には“ハウ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)”で一躍ポップス界の頂点に君臨する名声を得た。

レス・ポール&メリー・フォードは、前述した1951年の“ハウ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)”のヒットをはじめとして、同年に“世界は日の出を待っている(The World Is Waiting For The Sunrise)”、“モッキンバード・ヒル(Mockin' Bird Hill)”と続けてミリオンセラーという売り上げを記録。1953年には“ヴァイア・コン・ディオス(Vaya Con Dios)を”ハウ・ハイ・ザ・ムーン“同様ナンバーワン・ヒットに送り込んでいる。ヒット・チャートの常連となる黄金期を迎えている。またこの間の1952年にはレス・ポールが開発に携わりアンペックスが売り出した初の8トラック・レコーダーが発売されていることも補足しておこう。

1960年代以降、レス・ポール自身の活動はチャートとはあまり関係のない地味なものになったが、その名を冠したあのエレクトリック・ギターは同年代頃からロック界に多大なる貢献をした…というよりも、あのギター独特のルックス、独自のピックアップによる音色がなければ、大袈裟に言えば後のロックにも大きな変化が与えられていたであろうとすら言えるかもしれない。その愛用者は主だったところを挙げるだけだけでも、ジェフ・ベックジミー・ペイジデュアン・オールマンマイク・ブルームフィールド…と錚々たるメンツが並ぶことでご理解いただけるだろう。その後の70年代以降のレス・ポールだが、目立ったところで言うと1977年にチェット・アトキンスとのギター・インスト・デュエットでグラミーに輝き、その後1988年にはロックンロールの殿堂入りを果たしている。

レス・ポールは、ショウアップされたトリッキーで華麗なフィンガリングに、カントリー&ウエスタンとジャズをミクスチャーした、そのポップな感覚のスタイルで一世を風靡した。またギター開発や録音機材の開発にも関係し、ポピュラー音楽の発展に大きく寄与したことも記憶されるべきだろう。

ディキシーランド・ジャズのレパートリーを、明るいコーラスとリズミカルな独特のギターで彩り、リヴァイヴァル・ヒットさせた“世界は日の出を待っている”。古き佳きアメリカン・ポップスの世界を凝縮したかのようなこの無条件で楽しくなってくるような曲や、“ヴァイア・コン・ディオス”(1977年に亡くなったメリー・フォードの墓碑にはこの曲名が刻まれているという)にあるような美しいバラード感は、正直なところ今の音楽シーンとは全く無縁のものかもしれない。だが彼が、ギター中心の近代以降のポピュラー音楽〜特にロックンロール、ロック界に残した功績、今だ音楽をやり続けているという生きた伝説の価値はいささかも揺るがない。

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