When The Heart Dances

リーダーのピアニストLaurence Hobgoodはデイヴブルーベックに絶賛され、Kurt Ellingのブルーノートレコーディングのディレクター兼ピアニストとして15年間務めたダラス出身の隠れた名手。NAIMにも人気ピアノトリオUNIONやカート・エリングとの共演作をリリースしています。本作品ではヘイデンとのデュオでの演奏を基本に、自身のソロが2曲、Kurt Elling参加の3曲を収録。

冒頭の穏やかに響くピアノの音色、そっと寄り添うヘイデンのベース、続く朴訥と語るあたたかなヘイデンのベースソロ・・・この数分を聴いただけで胸がいっぱいになります。タイトル曲はオリジナルで、さわやかな春風のごとく、やわらかく優雅なメロディが次から次へと軽やかに舞う実に気持ちの良い一曲。ピアノソロでの　M4やM9などでも、きらめくような輝かしい音色、表情を豊かに変えながら華やかに展開していく構成の見事さから、作曲家としての実力もうかがえます。

数曲でのカート・エリングも情感豊かで深みのある歌声も素晴らしく、特にヘイデンの名曲M3ファーストソングでは背筋に冷たいものが走るほどの心のこもりきった絶唱を聴かせます。他にもベースとピアノが自由に絡み合う様が楽しすぎる共作のM5、しっとりとした歌が心に沁みるルグランのM8、一度聴いたら忘れられないほど美しいM10、11と、実にみずみずしく豊かな演奏揃い。

メロディと音色を大事にし、自然体でありながら心に深く響き渡る。全てのジャズファンにお聴きいただきたい逸品です！（DIW）

Laurence Hobgood : Piano（on Tr. 4, 9 solo）
Charlie Haden : Bass
Kurt Elling : Vocal (on Tr. 3, 6, 10)
2008年3月(カリフォルニア)5月(シカゴ)録音　24BITマスタリング)