Old Low Light

1974年リヴァプール生まれで 父親は60年代に活躍したフォーク・シンガー。独学でギターの弾き方を覚えた彼女はニュー･キャッスルのアート･カレッジを卒業後にデモ作りを始め、自ら立ち上げたレーベルから出したデビュー・アルバム・インディー作品を含めるとこれで3作目です。僕が彼女を知ったのは昨年リリースの『リトル・ブラック・ナンバーズ』から。実にこの音楽が良いんですよ。スティーナ・ノーデンスタムの音楽との出会いに似ていたその感覚は多分凛とした姿勢の中に女性の優しさが感じられるからでしょう。それもそのはず、音楽好きが一番信頼を寄せているであろうイギリスの音楽賞「マーキュリー・プライズ」に前作はしっかりエントリーされました。バッドリー・ドローン・ボーイ等がしっかりエントリーされる賞なのでどんな賞か分かってもらえるのではないかと思います。彼女のスタイルはニック・ドレイクなどのブリティッシュ・フォークの流れで海外では紹介されていますが、その通り貫禄すら感じる本格派です。実質的なメジャー・デビューとなるこのアルバムでも、ギター、ベース、チェロ、ビオラ、フリューゲル・ホーンなど、すべてアコースティック楽器による温かみのあるサウンド歌い紡いでいく12曲は可憐にして優美。初期EBTG、スザンナ・ヴェガ、エイミー・マン、ベス・オートン・ファンは絶対に共感してくれるでしょう。それに最近のシガー・ロスが極めたディープ・ソウル！の流れで聴いても面白いです。ジャケットで魅了されるでしょう？これは雛のような彼女の子供時代のポートレイトなのです。