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アドリアーナ・カルカニョートにも通ずるミニマムな世界観で、
サンバの持つ本質をシンプルに彩り豊かに再構築した快作！

ジュリアーナ・アマラウは、2004年／2007年にブラジルのLUA DISCOSから既に2枚のアルバムを発表し、そのいずれもが良質アコースティック・サウンドを湛えた傑作として認知される実力派女性シンガーだ。

熱心なMPBファンの間でその動向に期待が持たれていた中、5年ぶりとなる3作目登場。本作は大衆音楽としてのサンバを取り上げたコンセプチュアルな作品。古くはウィルソン・バチスタ、パウロ・ヴァンゾリーニといった作曲家から、フランシス・ハイミ、イタマール・アスンサォン、そして現在を代表する作曲家となっているキコ・ディヌッシ、マウリシオ・ペレイラ、ルーベンス・ノゲイラ、ホドリゴ・カンポスらの楽曲をふんだんに散りばめた小曲集といったコンテンツ。ノーヴォス・バイアーノスの代表曲として名高い#14. Acabou Chorare、そして鬼才トン・ゼーがフランスの大女優を捩った佳曲#17. Brigitte Bardotなど、印象深いレパートリーが特筆。

ミニマムな楽器編成で彩られたサウンドの面でもオリジナリティに溢れている。2曲でパンデイロが使用されているのみで、ギター+コンガといったよりアフロ色の強い編成や、ヴォーカルとカヴァキーニョ、ヴォーカルとコントラバスといったデュオ編成で、テナーサックス、ヴィブラフォン、アコーディオン、ヴィオラ・カイピーラなどが相棒を務める。最小限の演奏をバックに歌う丁寧にコントロールされたジュリアーナの歌声は、まるで優れた楽器のようであると同時に、サンパウロ気質の洗練された都会の語り部として、抜群の存在感を発揮している。

アドリアーナ・カルカニョートがサンバを昇華させた名作『オ・ミクロビオ・ド・サンバ』にも通ずるミニマムな世界観で、サンバの持つ本質を再構築した傑作として是非注目していただきたい一枚である。
（メーカー資料より）