ドイツの名レーベルACTを中心に、リーダー作をリリースするジョエル・ハリソンは、1999 年にNYC に移住した注目のギタリスト、コンポーザー。中には、デイブ・リーブマンに、ユリ・ケイン、そして、本作にも参加しているデビッド・ビニーが参加しているジョージ・ハリソン曲集(ビートルズの中から、ジョージ・ハリソンの曲だけを抜くというのが話題を呼んだ作品)などを出したりする変り種。そのコンセプト辺りにも、一筋縄で行かないこの人の音楽性が匂うというものですが、本作は、ストリングスとの共演盤。
ストリングス・・といっても色々あるもの。全面シリアスなムードで、世界はNYC のダウンタウンにトリップ。古くは、ニッティング・ファクトリー、トニック・・その場がもつ、あのダークで危険な感じ。触ったら切り傷の一つでも負いそうな音楽、というと、言葉が破綻していますが、この音の鋭さにはそんな比喩も浮かびます。ハリソン氏、追うところは、クリス・スピードや、ジム・ブラック界隈で活躍した、ブラッド・シェピックあたりか??エリック・フリードランダーや、マーク・ドレッサーら、その界隈の人脈を2000 年代も追随するスピリットを感じさせる作品!
Joel Harrison(comp, g), Todd Reynolds(vln), Chris Howes(vln), Celeb Burhans(viola), Wendy Sutton(cello), David Binney(as), Ralph Alessi(tp, flh), Lindsey Horner(b), Dan Weiss(ds)