鬼才ギタリストがポール・モチアンの偉業をたたえる作品をリリース。本作は、氏の多彩ぶりを真摯に受け止め、リアレンジするという画期的な作品と言えましょう。そこには、ビル・フリゼールを筆頭に、カート・ローゼンウインケルやスティーヴ・カーディナスなど、浮遊するギタリストを迎えた作品のイメージあり、ECM 時代のアブストラクトなイメージあり、現代音楽的なアプローチあり、ベートーベンやショスタコーヴィッチといったクラシック・アーティストからの影響が滲むナンバーあり、正に、モチアンの数々の側面に焦点を当てた内容と言えます。モチアン・ナンバーの中に、氏が敬愛するセロニアス・モンクのミステリオーソと、スコット・ラファロのナンバーを折り込んだ所も注目。あえてドラムの存在なし。聴後に、ある種の重みを感じる作品です。
Joel Harrison (guitar)
Featuring: Chris Howes (violin), Sam Bardfeld ( violin), Mat Maneri (viola), Dana Leong (cello), Liberty Ellman (guitar),
Peter Ugrin replaces Mat Maneri on tracks 6,7,8,11