93年シングル“フォー・トゥモロウ”さらにアルバム、モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ(Modern Life Is Rubbish)をリリース。ブラー渾身の一作と言えるこのアルバム。楽曲の質の高さもさることながら、キンクス、ザ・フーといった系脈を感じさせるメロディが素晴らしい。さらにジャケットには、産業革命時と思われる古風な蒸気汽車が疾駆するというあまりにもブリティッシュな一枚。それにしてもこのジャケットを見せながら「現代生活はゴミだ」というタイトルを付けるあたり、ブラーが完全にその意識の対象をアメリカ的なもの、外部的なものに向けずにイギリス的、内面的な部分に当てたことが分かる。それは、今は無き栄華を誇った大英帝国への憧憬と、現にある衰退した環境への苛立ちを同時に表明している。それこそがグランジの嵐の中、カウンターカルチャーのように本国を中心として絶大な支持を受けたことの証である。
翌00年、ブラー初のベスト盤ザ・ベスト・オブにより活動がまとめられる中、グレアムはソロ第2弾となるゴールデンD(Golden D)をリリース。パンクバンドのカバーや、スラッシュ・メタル風の曲を収め、大いに気を吐いている。01年には2週間で創り上げたというクロウ・シット・オン・ブラッドトゥリ(Crow Sit On Blood Tree)をリリース。 この元気さに負けじとデーモンのプロジェクトゴリラズも始動。01年にゴリラズ(Gollilaz)、レア・トラック集Gサイズ(G Sides)をリリースしている。ここ最近、自らの活動にひと区切りをつけたブラー。ここまで紆余曲折を経て、何度も危機を乗り越えて、ねばり強く次の一手を掴んでいくという活動を行ってきた彼らの今後はどのような展開となるのだろうか?ブラーの歴史を見ていると、古くからあるフロントマン&ギタリストの対決と昇華・・・といった構造が、月並みだが思い浮かぶ。今後もグレアムのギターは、ブラーの方向性を決める上で大きな役割を果たして、デーモンと取っ組みあっていくに違いない。奇しくも紙ジャケでよみがえることになっているもはや名盤入りとなった感のある13を聴きながら、バンド本体の活動を待ちたい。