通常はレクイエムの埋め草的に挿入される曲を網羅しており、資料的価値は十分ある（この盤でしか聴けない曲もありますので）。演奏は普通レベル（怒りを感じることは無いが感動で身動きできなくなることも無い）。このCDと、カワイの楽譜を買って、レパ選定をするとか、ラシーヌや小ミサ曲などについて、他の演奏家の演奏を探すなど、使い方はいろいろ。ジョン・オールディスが自前の合唱団を使って録音すれば良かったのにとも思わなくはない。

この曲の有名盤といえばクリュイタンスやコルボあたりが挙がるかと思いますが、それらに負けないくらいの魅力があると感じました。小澤自身の宗教観や死生観がどのようなものかは知る由も無いですが、BSOの滋味深い音色が静謐な雰囲気を見事に醸し出しており、これはなかなかの名演だと思います。もし映像があればあの顔芸もプラスされてより魅力的になること請け合いです。

ベルリオーズの同名曲へのアンチテーゼと言うことであれば、演奏機会の増加を狙って要請により大管弦楽用に改訂された1901年版より、この1893年版の響きがよりフォーレのイデーを的確に表現しているといえる。教会での慣習をふまえたフルネの希望により女声部を少年合唱が担当、高潔、端正、清楚な解釈と見事にマッチしている。心洗われる名演。

ベルリオーズの同名曲への反感から、あえて「怒りの日」を除外して作曲した祈りの作品。フルネは、引き締まったテンポ、清潔で節度あるフレージングで演奏。結果、情に溺れない高貴な叙情とも言うべき精神がきこえる。学生の頃から30年近く聴いているが、聴き返すほどに味わい深い名演。1901年版使用。「ペレアス」はジンマン指揮。

いかつい感じに見える彼ですが、ＣＤでは、凄くデリケートな演奏。フォーレのノクチュルヌに、また名盤が出たと言っても過言ではないでしょう！！ 細かなアーテュキレションの表現力も魅力の一枚です！！

繰り返し聴いてます

すっきりとして澄んでいながらコクのあるフォーレです。 ソロもコーラスも上質です。

ピアノ四重奏曲第１番のフランソワが素晴らしい。それに応えるベルネード四重奏団員も良い。フランソワの室内楽は他にないのかしら。知っている方がいたら書き込みお願いします。

ここでのペルルミュテールは独特でフォーレのイメージを自由に弾いておりますが、何か湿気を通して見た風景を見ているようで、残響音が底に沈んで幻想的な音色がたゆとう。 演奏は静かに動き初め、温度をはらんだ内面の中で光を徐々に取り戻して行くようで、自分の耳を徹底的に信じ、その機能を極限まで活用し、聞こえない世界まで聴こうとしている。感動的です！

個人的にフォーレは初期稿の方が好きだけど、この録音はカップリングが良い。フォーレとフランクを１枚で楽しめたのが最大の収穫。