おとうさんとぼく 岩波少年文庫

E.о.プラウエン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784001142457
ISBN 10 : 4001142457
フォーマット
出版社
発行年月
2018年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;18

内容詳細

愛情ゆたかで、遊び心いっぱいのおとうさんと、やんちゃなぼく。名コンビがくりひろげる日常を切りとり、ユーモアたっぷりに描いたドイツ生まれのコマ漫画の傑作134篇。巻末に上田真而子による解説と、ケストナーのエッセイを収めます。小学3・4年以上。

【著者紹介】
e.o.プラウエン : 1903‐1944。本名エーリヒ・オーザー。ドイツのザクセン州プラウエンで子ども時代を過ごす。ライプチヒの美術大学在学中に、生涯の友となるエーリヒ・ケストナーと編集者エーリヒ・クナウフに出会い、新聞画家として活躍。オーザーの大胆で容赦ない風刺画は旋風をまきおこした。1930年に結婚、翌年に息子が誕生。ナチスが権力を握ると活動停止処分を受けるが、1934年よりe.o.プラウエンの筆名で大手週刊紙に「おとうさんとぼく」を連載し、たちまち国民的な人気を得た。1944年にゲシュタポに捕らえられ、独房で自ら命を絶った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • seacalf さん

    周りの人は言う、子供はあっという間に大きくなるよと。でも幸せな瞬間が子育て時間にはたっぷり詰まっていて、そのかけがえのない時間がそのまま表現されているかのようだ。漫画版のサザエさんを思わせるスラップスティックな楽しさがいっぱい。自由な表現が難儀なナチス政権下ドイツという異国の、そして時代も違えど父と子というひと口では言い表せない幸せな関係を抽出している素晴らしい本書は、時代や国を超えて読み継がれるだろう。読んで面白いだけでなく、沢山の奇跡が重なってこうして父でいられることの喜びを改めて思い出させてくれる。

  • 彼岸花 さん

    これほど父性愛を感じることのできる本はなかった。言葉なしでも心から笑えた。内容は全く色あせていない。時代を超えて永遠に読み継がれるコミックだ。登場するお父さんは強くて優しい。泣いたり笑ったり、時には本気で叱ってくれる。無邪気で子供のようなお父さんに、たちまち魅了された。だが唐突な終わり方に違和感を覚え、解説を読みショックを受けた。ナチス政権による支配だ。表現の自由が許されない社会に未来は描けない。人間らしく生きることが、いかに大切かがわかる。作者が存命していたならと思うと、言いようのない悲しみに襲われた。

  • Roko さん

    「おとうさんとぼく」は1934年12月13日から1937年12月までドイツで当時もっとも読まれていた週刊誌「ベルリングラフ」に掲載されていました。ナチスドイツから執筆禁止と命じられていたエーリヒ・オーザーは、e.o.プラウエンという偽名でこの作品を書いていました。4コマから8コマで描かれているマンガにセリフはありません。でも、自分も子どもの頃にこんなことしたなとか、嫌な奴にはこんな目に合わせたいななんて、思わせてくれるストーリーがとても心地よいのです。時代を超越した父と子の愛に溢れています。

  • niisun さん

    ドイツの風刺画家エーリヒ・オーザーが“e.o.ブライエン”の名で世に送り出した作品。ヒトラーが政権をとった1933年の翌年に連載が開催された『おとうさんとぼく』。政治色を廃さざるを得ない中で、人間主義とも言える作品を示すことで、非人間的な国家社会主義(ナチス)に抵抗を示しています。最後はゲシュタポに逮捕され、法廷で死刑宣告を受ける前に、自ら命を絶ったそうです。死後に奥さまに届いた遺書『すべて、ドイツのためにしてきたのだ。…どうか、クリスチアン(息子)を人間に育ててくれ。…』には、多くを考えさせられます。

  • にたいも さん

    大人になって読むと、プラウエン(本名エーリヒ・オーザー)の機知がわかって楽しめた。子どもの頃は、ちょっと難しかったし、実際の自分はふざける父子でなかったから共感しにくかったな…。/巻末にある翻訳家の上田真而子さんと親友エーリヒ・ケストナー(エーリヒ・クナウフを合わせた3人のエーリヒで親友だった)による解説に読み入った。ナチスに執筆停止処分を受けたオーザーが偽名で描いた「おとうさんとぼく」は大人気となり、ナチスの「冬期救済活動」などの募金運動のシンボルとして使われた…。ゲシュタポに逮捕され、自殺。

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