伽耶琴と玄琴〜類似と相違

伝統弦楽器“伽耶琴”と“玄琴”で対話するソウルのうら若き女性デュオ！

日本のお隣りの国韓国における伝統音楽を、ふたつの似て非なる伝統弦楽器“伽耶琴”と“玄琴”を用いて聴かせてくれるのが、ダルムという女性デュオです。その彼女たちが、現在もっとも精力的に作品をリリースしているドイツのワールド・ミュージック・レーベル“Glitterbeat”のサブ・レーベル“tak:til”から、世界デビュー作を発表してくれました。

首都ソウルを拠点に活動するダルムは伽耶琴を演奏するハ・スヨンと、玄琴（玄鶴琴、コムンゴとも呼ばれています）を演奏するファン・ヘヨンによるデュオ。若手演奏家らを擁するソウル青年伝統音楽アンサンブル（英名：Seoul Metropolitan Youth Traditional Music Ensemble）に現在も所属しているふたりは、子供の頃から祖国の伝統音楽を演奏してきましたが、演奏技術の向上と音楽的視野を広げ独自のレパートリを作り出したいという共通の願いを持っていたことから意気投合し、2018年にデュオを結成しました。「ダルム」とは「何かを追求する」といった意味を持つ韓国語で、彼女たちにとって音楽への情熱を示す言葉とも言えます。その一方で「ダルム」には「異なるもの」という別の意味もあり、伽耶琴と玄琴というよく似ているが異なる楽器を用いて音楽的な対話を行うことが、ダルムの基本的なコンセプトとなりました。

いずれも朝鮮半島に古くから存在する弦楽器である伽耶琴と玄琴ですが、その大きさや弦の数は異なります。また弾き方も素手の指を使う伽耶琴に対し、玄琴はスルテという棒で弦を弾くため、より荒々しい音色がその特徴となっています。そんなふたつの伝統弦楽器の魅力を本作で引き出してくれるのが、チャン・テペヨン、チェ・ジウン、イ・アロという３人の若い韓国人作曲家たち。そんな彼らが作る親しみやすい曲調を中心に、それぞれの楽器の音色や奏法が鮮明に分かるようなミキシングが施された音像は、まるで伽耶琴と玄琴が対話しているかのような錯覚に陥てしまいます。

韓国の伝統音楽の魅力を伝えてくれるダルム。ポップスのジャンルではBTSの活躍で世界を席巻している韓国ですが、その伝統音楽シーンの奥深さを知らしめる1枚と言えそうです。

(メーカー・インフォメーションより)