Meu Coracao Brasileiro: シャンパンとカイピローニャ

パリで生まれ育ち、現在はロス在住の女優クララ・ベラール。スティーヴン・スピルバーグ監督作『Ａ.Ｉ』での乳母ロボット役他、数多くの映画に出演している中堅どころの俳優です。そして何といっても1994年フランス映画『パリのランデブー』(エリック・ロメール監督)主演女優として高い人気を誇っています。
父親がフランシス・ハイムの友人、さらに自宅がピエール・バルー宅の隣という環境もあり、小さい頃からブラジル音楽に親しみ敬愛していたクララ・ベラール。満を持して制作したこのデビュー作、プロデュースは彼女の友人でもあるドリ・カイミが参加。1995年にリオで録音され、ゲストにはミルトン・ナシメントとジョアン・ボスコが参加、またドリ自身もギタリストとして加わり(ヴォーカルも１曲披露)、カエターノ・ヴェローゾの来日公演にも参加したジョルジ・エルデル(ｂ)、カエターノ＆ジャキス公演に参加したマルセロ・コスタ(ｐｅｒｃ)他実力派ばかりで固めたメンバー揃いです。クララの全曲ポルトガル語によるヴォーカルも文句なしで、ウェットにならない唱法がサウンドに程良くマッチしており、フレンチ・テイストも確かに息づいています。　収録曲はブラジル音楽で“愛”をテーマにした名曲揃い。ジョアン・ジルベルト の「懐かしのバイーア」(海の奇蹟)、「僕はバイーアから来た」(声とギター)、「アデウス・アメリカ」「僕はバイアーノ」(イン・トーキョー)とジョアンゆかりの曲が多いのが特徴です。また多くのアーティストが取り上げたサンバ名曲「枯葉」、ジョアン・ボスコの低声が雰囲気抜群の、名曲「ブラジルの水彩画」、カエターノの代表曲「サンパ」、エリゼッチ・カルドーゾの名唱でおなじみ「ヴィラの魔法」、ミルトン・ナシメント81年の名作『カカドール・デ・ミン』から「ブラジルからの便り」。そしてシコ・ブアルキ作「ジョアナ・フラセーザ」でのミルトンの深みのある歌声は素晴らしい味わいです。