悲しき歌姫 藤圭子と宇多田ヒカルの宿痾

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784781611105
ISBN 10 : 4781611109
フォーマット
発行年月
2013年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
325p;19

内容詳細

作家の五木寛之は、藤圭子の演歌を「<艶歌>でも、<援歌>でもなく、正真正銘の<怨歌>である」と評した。藤圭子は、人生の辛酸を嘗めた作詞家・石坂まさをが書いた「圭子の夢は夜ひらく」にあるように、「十五、十六、十七と 私の人生暗かった」と歌い上げた。
1970年代、若者たちは失意に満ちていた。学園紛争から安保闘争へ連なる革命に敗北していた。外に向けられたエネルギーは萎み、あてどない気分に揺れていた。
戦後日本の高度成長の陰で、人々は急激な明るい変貌ぶりに不安と迷いを覚えた。
藤圭子もまた、デビュー前に、人知れぬ苦労を宿命的に背負っていた。藤圭子の抱える「負」と時代に広がる「負」が溶け合い、当時の若者たちの心を打ち、地鳴りのように響き渡ったのである。

【著者紹介】
大下英治 : 1944年広島県に生まれる。1歳のとき被爆。父を失う。苦学の末、広島大学文学部仏文科を卒業。大宅壮一マスコミ塾第七期生。1970年、『週刊文春』特派記者いわゆる“トップ屋”として活躍。圧倒的な取材力から数々のスクープをものにする。1983年、『週刊文春』を離れ、作家として独立。政治、経済、芸能、闇社会まで幅広いジャンルにわたり旺盛な執筆活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 鉄之助 さん

    宇多田ヒカルが最近、母の藤圭子に似てきた、と思ったら、歌の天才肌は祖母・竹山澄子から続く三代のDNAがなせるワザだった。「藤圭子の歌は演歌でも艶歌でもなく、間違いなく”怨歌”だ。ブルースもファド(ポルトガル)も”怨歌”だ」と言ったのは、五木寛之。宇多田の歌にも、その裏側に怨念、悲しみが籠っているから、人の心を打つのかもしれない。「私が歌をつくる原動力って結局、”恐怖”と”哀しい”と”暗い”なんですよ、全部」と、ぴあ『invitation』(2004年4月号)で宇多田自身が答えている。

  • しゅん さん

    宇多田ヒカルと藤圭子を重ねていく話を想像してたら、むしろ藤とプロデューサー石坂まさをの物語だった。生い立ちの重たさよりも、上昇志向と時代の空気が混ざった狂気が印象に残る。藤圭子の最高までの道筋をほとんど知らなかったので、勉強(?)になりました。「圭子は思った」「ヒカルは思った」と心理作用を代行しながら物語化していくのがこの人のスタイルなのかな。宇多田照實氏が不気味に描かれているというか、石坂の後に現れた得体の知れぬパートナーとして「悪役」を押し付けられた感じがする。

  • ひとまろ さん

    悲しすぎる最期を迎えたヒカルの母。 なんだかつかみどころのない藤圭子だったが 娘のスマッシュヒットで再び脚光を浴びる。

  • fwhd8325 さん

    宇多田ヒカルの章は、初めて読むエピソードでしたが、藤圭子に関するものは、これまでに発表されているエピソードを集めたようでした。 掘り起こせるエピソードも限られているのでしょうが、物足りませんでした。

  • 本かくよ・よむよ さん

    藤圭子の歌は勿論だが、藤圭子を世に送り出した石坂まさをの執念が凄い!母から娘へと続く人生を改めて知ると、怨歌と評される世界観が益々好きになり、歌姫として復活した娘・宇多田ヒカルの今後の活動もしっかり追いかけたくなった。

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