アップテンポではかなりフリー、エヴァンスもフリーっぽくなる。熱い情念、ともいうべき演奏だ。静と動が明確。核はやはりスタイグだ。フルートを吹きつつ唸り声や息を漏らすスタイルは独特だ。6曲目が最高に美しい。通して聴くには良い意味で疲れるがそれほど聴き手をひきつける。ゴメスは意味のないラインをとるし、モレルはかっこいいかもしれないが、下手でうるさい。それでも大名盤。

アップテンポの曲はしらけるが、ミディアム〜スローの曲は一転して密度が濃い。たとえば5。ブルーな曲想だが熱気をはらんだ展開にいつの間にか引き込まれる。滅多に出ないエバンスの美点が引き出された名演だ。

（静）と（動）の”緊張感！ この上なく心地よく満足しました。まさに息吹掛かったジェレミー・スタイグ（フルート）と押したり引いたりなエヴァンス（ピアノ）のアドリブに感激です。

このアルバムを聴いてエバンスにのめりこみました。 フルートの刺激的（というかやりすぎような気きも・・・）なパフォーマンスに、ここまでついてくるか的な感じをにおわせるエバンスのパフォーマンスも必聴です。 あとだれも評価してないけどマーティ・モレルのドラムがすごくかっこいい。本当にかっこいい。あくまで僕の趣味なんですけど、アップテンポのレガートを叩かせたらジャズ界でも随一です！

エヴァンスとスタイグの白熱の競演には聴いているほうも緊張してくる。エヴァンスが押され気味の感もするほどスタイグの突っ込みはすごい！しかし、所々聞こえるあの吸い付くような音は生理的に好かん。