Ella...My Dear

Dreyfus の看板歌姫であった、Anne Ducros の移籍第一弾。これまでには、チック･コリア、ジャッキー･テラソン、エンリコ･ピエラヌンツィのようなそうそうたるピアニストを迎えた作品を出す等もあり、その実力を発揮してきました。本作は、特別もゴージャスにフルバンのオーケストラがバック。！華麗にして、豪華、そして、しっとりとした世界になっています。

特別派手なヴォーカリーズがあるわけでもないですが、完全正確なピッチ、ちょっとしたソロも肩の力を張ることなく、自然な歌いこなしを披露。またバックがフレーズをなぞらなくても、自由に飛んでいける所は、ビッグバンドと歌、という構図ではなく、シンガーもビッグバンドの一部、という印象も与える所です。

Ella...とある通り、聴きなじみの曲が多いのも魅力。ダイナミックなオケ･アレンジに、いい意味で自然な”スウィングしなけりゃ意味がない”を、オープニングに、ある時はロマンティック、ある時はノリノリで楽しめる正統派ヴォーカル作品。ピアノがあのジャン･ピエール･コモというのも魅力の一つです。

Anne Ducros(vo)
Coups de Vents wind Orchestra
Philippe Langet(direction), Ivan Jullien(arrangement), Jean-Pierre Como(p), Essiet Okon Essiet(b), Bruce Cox(ds), feat Dany Brillant