オライオン飛行 講談社文庫

樹のぶ子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065168141
ISBN 10 : 4065168147
フォーマット
出版社
発行年月
2019年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
368p;15

内容詳細

一九三六年、博多の大学病院に勤める看護婦の久美子は、墜落して重傷を負ったフランス人飛行士と出会う。言葉が通じない二人の間に燃えあがる短くも激しい恋そして別れ。八十年後、久美子の血を引く二十六歳のあやめは二人を巡る不可解な物語を知る。恋愛小説の名手が、史実をもとに大胆に描いた恋愛ミステリ。

【著者紹介】
〓樹のぶ子 : 1946年山口県防府市生まれ。東京女子大学短期大学部教養科卒業後、出版社勤務を経て、’80年「その細き道」を「文學界」に発表。’84年「光抱く友よ」で芥川賞、’95年『水脈』で女流文学賞、’99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨文部科学大臣賞、’10年「トモスイ」で川端康成文学賞、’17年日本芸術院賞をそれぞれ受賞。’09年紫綬褒章、’17年旭日小綬章を受章。’18年文化功労者に選出される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • あすなろ@no book, no life. さん

    1936年パリ-東京間懸賞飛行挑戦中に九州の山中で墜落したことから始まったフランス人飛行士と日本人看護婦との切ない恋。これは実話に基づいているのか?悲恋とも現代視点で描かれているがそうなのか?切ない、の描写の方が合っている。幸福感に必死で耐えていなくては、この後の長い不幸に立ち向かえない久美子の様にのめり込む読書となる。そして、戦争という渦に、正に彼等の背後には、正に海霧が毛羽立つ様な勢いで迫って来るのである。高樹氏作品は遥か彼方の昔にしか読んだ記憶ないが、改めて諸々読んでみたいと思った素晴らしき一冊

  • ひろりん さん

    80年前に九州の山中に墜落して助け出されたフランス人飛行士と大学病院の看護婦の恋。長い時を経て、その封印が解かれて…。単なる恋の物語ではなく、残された懐中時計をめぐる謎を解き明かす展開が面白かったです。物語の中心となるあやめと良一は年も違うし、物の見方も違います。この話を恋愛か妄想かというと、あやめと良一どちらの見方も正しいと思います。人間って色々な面を持ち合わせていて、そんなに単純なものじゃないですから。しかしどちらに共感するかというと、私的には素直に情熱的な恋の物語としたいところです。

  • こばゆみ さん

    いかにも純文学然とした恋愛小説。裏のあらすじには「ミステリー」って書いてあったけど、ミステリー感はほとんど無し。日本とフランスを行き来していたり、キーアイテムとして時計が出てきたりするので、大人でお洒落な恋愛小説を読みたい時に。

  • ふう さん

    (2022.6.10)戦前の、祖父の姉のフランス人飛行士との秘められた恋を知り、その顛末を探るあやめ。ドラマや小説でよくあるパターンである。アンドレ・ジャピーの墜落事故と日本での療養は事実らしい。当時の社会情勢の理解に必要とはいえ、あやめや久美子に感情移入しかけているところに、第三者(作者?)の説明が入るのはちょっと興醒めだった。時計を分解する場面は読む方も緊張した。ジャピーのその後をもっと知りたかった。

  • 次へ さん

    アンドレが日本を離れたあと、結局誰が何をしてどうなったのか、全ては謎のまま。リアルと言えばとてもリアルな終わり方だが、ドラマを求めた読み手には独りよがりな私小説を間違って読まされた様な徒労感が残る。途中突然作者が読者に語りかけてくるのも昔風で、ちょっと興を削がれた。

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