徳川家康と今川氏真 朝日選書

黒田基樹

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022631244
ISBN 10 : 4022631244
フォーマット
出版社
発行年月
2023年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
296p;19

内容詳細

少年期の徳川家康は今川家の「人質」であり、「過酷」な境遇にあったというのが通説だ。永禄3年(1560)に本拠の三河岡崎城に帰還、翌年からは今川家に敵対し、その後10年近く家康は今川氏真との抗争に明け暮れるが、それ以後、家康と今川家の縁は切れたかのように一般に認識されている。だが、これらは事実ではない。じつは家康と氏真はその後も親密な関係を維持し続けていたのだ。近年、家康研究は新たな史料が確認され、進展を見せている。本書では史料を丹念にたどり、それにより判明した新事実の数々を紹介しながら、この二人の戦国大名が生涯を通じてどのように交流していたのかを解き明かす。家康の生涯において、いかに今川家の影響が強かったか、また、いかに家康が今川家を尊重していたのかを浮き彫りにする。

目次 : 第1章 氏真の立場、家康の立場/ 第2章 家康と氏真の抗争/ 第3章 今川家滅亡/ 第4章 家康は氏真を庇護する/ 第5章 今川貞春が繋ぐ徳川と今川/ 終章 家康にとっての今川家

【著者紹介】
黒田基樹 : 1965年東京都生まれ。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。博士(日本史学)。専門は日本中世史。駿河台大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ようはん さん

    今川氏真は文弱な無能大名というイメージが従来あったものの、知れば知るほど無能ではないというか少なくとも怠惰さや臆病とは無縁という印象になる。家康と氏真の関係が悪かったのはあくまでも桶狭間から今川滅亡までの一時期であり、それ以外の期間は疎遠でもなく良好な関係は続き氏真の姉妹である貞春尼(武田義信室)が長く秀忠の女家老の立ち位置であった事も紹介されている。

  • bapaksejahtera さん

    敗軍の将の息子で、愚将と迄貶められた今川氏真について、最近その存在が知られた、徳川二代将軍の後見女性で彼の実妹貞春尼に関する史料を加え、生涯を考究する。通俗史で言う「苦難の今川人質時代」と異なり、家康は国衆の幼い当主として手厚い教育を受け、義元からは軟弱と叱責される4歳上の心優しい氏真と生活した駿府には、後に大御所として幕府を差配する地となる理由があったようだ。今川家は東国では抜きん出た家格の高い血筋であり、その有職故実や中世からの大名知の蓄積は、国衆から成り上がった徳川家にとっても貴重な力だったのだろう

  • MUNEKAZ さん

    今川氏真と徳川家康の関係をまとめた一冊。個人的には、氏真が駿河を失陥してからの動きが面白かった。北条から徳川と鞍替えしながら、愚直に武田からの駿河奪還を目指す執念は、まさに戦国大名。それ故に武田家滅亡時に信長から駿河領有を否定されたときの気持ちはいかばかりのものか。よく氏真の人生を結果オーライみたいに言う人もいるが、氏真本人は人生の目標を否定されたわけで、安易に評するものでもないと思う。また武田義信室だった氏真妹が徳川秀忠の上臈であったことも意外。家康にとって「今川」は、頼れるブランドだったんでしょうね。

  • さとうしん さん

    徳川家康と今川氏真の60年以上にわたる交流。ないしは氏真を通して見た家康と徳川政権。60年以上といっても武田氏滅亡のあたりまでが中心で、その後は史料的な問題もあるようで駆け足である。(個人的には駆け足の部分に興味があったのだが)秀忠の女性家老と言うべき存在が氏真の妹の貞春尼であったことや、徳川家の格式確立に氏真とその一族、閨閥が大きく貢献し、没落したとはいっても名門としての格式が健在であったことなどを指摘している。

  • クラムボン さん

    今川氏真はこれまでは今川家を潰した無能な男…話題にすら登らなかった。一方今川義元は「どうする家康」初回の桶狭間で呆気なく消えたが、最近では徐々に戦国領主としての評価を得ている。そんな中で氏真が初めて大河ドラマの表舞台に登場したことは嬉しい。ただ黒田さんの著作を読むと、大河では氏真のことは、ほんの少し描かれていたに過ぎないことが分かる。桶狭間の後9年に渡り、武田・北条・織田徳川連合・上杉にも外交を含め互角に遣りあった。そして、それ以上に戦国大名としての今川家が滅亡してからの処世のあり方が面白いことが分かる。

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