天風の彩王 藤原不比等 上 講談社文庫

黒岩重吾

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062649902
ISBN 10 : 406264990X
フォーマット
出版社
発行年月
2000年10月
日本
追加情報
:
439p;15

内容詳細

天智と中臣鎌足が築いた近江朝は壬申の乱により大海人皇子(後の天武天皇)に倒される。鎌足の子・不比等は山科で戦乱を逃れたが、中臣氏を疎む天武は、不比等に出世の機会を与えなかった。だが彼は、知謀と強運を武器に昇進をとげ、律令国家の基礎を作っていく。古代史小説の第一人者が描く凄烈な男の実像。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • はつばあば さん

    歴史は好きでしたがここまで詳細な本を読むほど鎌足がすきでは無かった。がコミックでフヒトを読んで中臣の地、山科に住んでいながら中臣の鎌足・不比等のことをあまりにも知らなさ過ぎた事を反省して重吾さんのお世話になりました。史(ふひと)が後の藤原の不比等であり今も残る五摂家の創始者であること。しかも鎌足の息子か天智天皇の子か・・わからんとこがいい。色男で知恵も金も女も我身に勝る者はなし・・流石藤原家を興しただけのツワモノよ。?知者と言うべきか。何百年も昔の山科を想像するのも一興なりと。

  • ちゃいろ子 さん

    藤原家ファンなのに未読だった不比等主役の物語。 面白かった!なぜもっと早く読まなかったのだ私。 頭脳明晰なのは当たり前、 不遇の時も勉学に励み、時を待つ。ただ待つだけでなく周囲をまぁ良く見てること。 またこの不比等さん女性も霞む美形に描かれているのがツボです。 楽しいです。 下巻楽しみ!

  • keith さん

    今、最も興味がある歴史上の人物藤原不比等の生涯。上巻は青年期です。

  • take5 さん

    藤原不比等のほぼ生涯を想像力豊かに描いた物語で、上巻では、神童としての子供時代(イケメンで女人を魅了する設定)から、中臣氏の従兄弟たちとも関係しながら壬申の乱を経て、不遇な青年時代となるも、父鎌足の教えを守り、滝行などを行いながら、意外にもじっと耐え忍ぶ人物として描かれています。その後、徐々に頭角を現しながら、天武、持統、草壁、軽(文武)とのそれぞれの出会いと関係がこと細かに描かれていき、また鎌足との関係性も徐々に明かされていきます(不比等の出生の秘密が物語の重要なドライバー(物語を駆動する要素)です)。

  • TheWho さん

    時は、7世紀後半から8世紀初頭の飛鳥時代から奈良時代に権謀術数で藤原氏に繁栄を齎した異彩の政治家である藤原不比等を語る上下巻の古代史絵巻。同じ不比等を描いた前読の馳星周「比ぶ者なき」とは違い史(不比等)の少年時代から物語は始まる。史と父鎌足との確執、出生の謎、そして壬申の乱を経て不遇の時代が綿々と語られる。そして出世の萌芽を求めつつ鏡女王から後の持統天皇の歓心を買うべく己の可能性を徐々に高めていくこととなる。上巻ではやっと任官し軽皇子擁立を決断した所で終わる。下巻の展開が楽しみです。

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人物・団体紹介

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黒岩重吾

1924(大正13)年、大阪市生まれ。同志社大学法学部卒業。在学中に学徒動員で満州に出征、ソ満国境で敗戦を迎える。復員後、証券会社などに勤務しながら、「近代説話」の同人として小説を執筆。60年『背徳のメス』で直木賞、80年『天の川の太陽』で吉川英治文学賞を受賞する。91年紫綬褒章受章、92年菊池寛賞

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