一日 夢の柵

黒井千次

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062131162
ISBN 10 : 4062131161
フォーマット
出版社
発行年月
2006年01月
日本
追加情報
:
22cm,269p

内容詳細

日常の中の不安と不思議さ、病、介護など人生の最後に人が向き合わなければならない問題。日々の生活の中の楽しみと苦しみ。日常の内奥に差す光と闇を見つめ、生きることの本質と豊饒を描き切る傑作小説集。〈受賞情報〉野間文芸賞(第59回)

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読書メーターレビュー

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  • クリママ さん

    表題作含む短編12編。「夢の柵」60歳以上の市民の健康診査のため、近くの医院に行く。その玄関に張られた手書きの紙「…オカシナ夢をみた直後は、危険ですので絶対に受診しないで下さい」いつもの端正な黒井千次の文章でありながら、異世界を覗いたような気がして、一歩踏み出した足をどこに下していいのかわからない。そして、日常の出来事の中でいつも頭に去来することを文章にしたらこういう感じになるのだろう。60代から70代にかけて書かれた作品。幸鉾ばって生きてきたけれど、なにか不安がある。

  • giant_nobita さん

    野間文芸賞受賞の短篇集。主人公は作者と同年代の老人で、医院を舞台にしたものが多い。日常的な何気ない風景から始まり、隣家に勝手に忍び入ったり路上喫煙を注意されても無視したりと、主人公がモラルを感じさせない行動をした結果、夢の中のような世界に迷い込んでしまうという構造の作品(「隣家」「要蔵の夜」)が目を引く。「夢の柵」や「眼」にも不気味なイメージが出てくる。機械の受付機と人間との奇妙な関係を描いたエッセイ風の「浅いつきあい」がおもしろかった。手紙や日記の文章で構成された「記録」も手が込んでいる。

  • にんにん さん

    黒井千次にはまってしまったようだ。こうした日常スケッチのものは好みで無かったはずなのに、ふっと時空がずれたような小さな事件が織り込まれていて、つい、惹き付けられる。いうまでもなく、その文章のうまさ、詳細な観察に裏付けられた描写力にも惹き付けられていることもある。仕事から退き、老境に入った男性達なら誰でもそうだろうと思われる静かな生活。家の周りの散歩に病院通い、妻や子ども達との慣れきった毎日。そんなすき間に起きる出来事は、実態のない恐怖を伴って老人に絡みついてくる。描写がリアルなだけに、その怖さが後を引く。

  • み〜しゃ さん

    年配の男性の日々を描いた短編集。 何気ない夫婦のやりとり、病院の待合室での様子など、よくある生活の断片の中に、時々見え隠れする非日常。 そんな、黒井千次さんの描く、「ほんの少しずれたところに存在しそうな世界」が好きです。読んでいるうちにほんの少しずれた不思議な世界へ、時々はじかれていく。はじかれることが中毒になります。 「浅いつきあい」は絶品。非日常はないけれど、思わず苦笑い。

  • さたん・さたーん・さーたん さん

    国語の教科書に載っていた評論を読んでからこの著者にずっと興味を持っていたところ、図書館で懐かしい名前と再会して思わず取り上げた。肌が感じとる季節の移ろい、そして時間の経過を一秒一秒かみしめるように、老いた日々を過ごす。その日常に差し挟まれる白昼夢が、不思議な物語を織り上げている。

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人物・団体紹介

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黒井千次

1932年(昭和7年)東京生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、富士重工業に入社。70年より文筆生活に入る。69年『時間』で芸術選奨新人賞、84年『群棲』で第20回谷崎潤一郎賞、94年『カーテンコール』で第46回読売文学賞(小説部門)、2001年『羽根と翼』で第42回毎日芸術賞、06年『一日 夢の柵

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