犬のかたちをしているもの

高瀬隼子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087716962
ISBN 10 : 4087716961
フォーマット
出版社
発行年月
2020年02月
日本
追加情報
:
144p;20

内容詳細

第43回すばる文学賞受賞作

昔飼っていた犬を愛していた。
どうしたら愛を証明できるんだろう。犬を愛していると確信する、あの強さで――。


間橋薫、31歳。恋人の田中郁也と半同棲のような生活を送っていた。21歳の時に卵巣の手術をして以来、男性とは付き合ってしばらくたつと性交渉を拒むようになった。郁也と付き合い始めた時も、そのうちセックスしなくなると宣言した薫だが「好きだから大丈夫」だと彼は言った。普段と変らない日々を過ごしていたある日、郁也に呼び出されコーヒーショップに赴くと、彼の隣にはミナシロと名乗る見知らぬ女性が座っていた。大学時代の同級生で、郁也がお金を払ってセックスした相手だという。そんなミナシロが妊娠してしまい、彼女曰く、子供を堕すのは怖いけど子供は欲しくないと薫に説明した。そして「間橋さんが育ててくれませんか、田中くんと一緒に。つまり子ども、もらってくれませんか?」と唐突な提案をされる。自ら子供を産みたいと思ったこともなく、可愛いと思ったこともない薫だったが、郁也のことはたぶん愛している。セックスもしないし出来にくい身体である薫は、考えぬいたうえ、産まれてくる子供の幸せではなく、故郷の家族を喜ばせるためにもらおうかと思案するのだったが……。
快楽のためのセックス、生殖のためのセックス。子供を産むということ、子供を持つということ。
1人の女性の醸成してきた「問い」の行方を描く。

【著者略歴】
高瀬隼子(たかせ・じゅんこ)
1988年愛媛県生まれ。東京都在住。立命館大学文学部卒業。「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞。

【著者紹介】
高瀬隼子 : 1988年愛媛県生まれ。立命館大学文学部卒業。『犬のかたちをしているもの』で第43回すばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • こーた さん

    半分は自分の子でありながら、何もできない無力感。主人公の抱く葛藤は、パートナーに子ができたときに男性の抱く情感と近いのではないか。近いが、一致することはありえない。女性の日々経験している心身の変化を、男性のぼくは想像することができるし、読んで理解することもできる。でも自分ごととして実感することは決してない。それがひどくもどかしい。日ごろから女性の生きやすい社会はぼくも生きやすい社会だと信じてささやかにがむばっているけれど、所詮はその程度である。結末はやや凡庸でざんねんではあったが、⇒

  • 美紀ちゃん さん

    いきなりびっくりする。 どういうこと? これはお別れなの? 私なら怒り狂い、浮気相手の子供など引き取ることはできない。かもしれない。 浮気相手の女性は水名城ゆきさん。 変わってる。お腹を痛めて産んだ子供をどうして手放す? 色々疑問だらけ。悲しすぎる。 毎日泣くのもわかる。 泥沼だと思う。辛すぎる。 考え出すとどんどん曇った気持ちになる。 悩ましい。 最後まで非常に悩ましい。 が、面白くて一気読み。

  • machi☺︎︎゛ さん

    卵巣の手術をした経験があり妊娠も難しいかもしれない薫。付き合ってしばらくするとセックスが苦痛になる薫。そんな薫でも大好きな彼氏。だけどある日そんな彼氏との間に出来た子供を産みたいというみなしろさんが現れて産んだ子供はあげると言われる。普通に考えたら有り得ないしみなしろさんの何故か上から目線が腹立った。変わった話だなと思いながらも先が気になり一気読み。「子どもが欲しいのと、子どもがいる人生が欲しいのは、同じ事だって思う?」って言葉が印象に残った。

  • おしゃべりメガネ さん

    「すばる文学賞」受賞作品で初読み作家さんとなります。ボリュームは薄めながら、内容はかなりガツンとくる作品で、なかなかシリアスでした。卵巣の手術をしてセックスに抵抗を感じる「薫」は、ある日彼の「郁也」に呼ばれ、そこにいたのは『私が子を生むから、貰い、育ててほしい』と申し出する女性が。なかなかシリアスな話で、登場人物に感情移入が難しいながらも話の展開が気になりイッキに読了でした。セックスレスの二人、子供が欲しいかいなか、育てていけるのかどうかなど、とにかく女性目線からみればなかなかハードな展開かなと感じます。

  • Take@磨穿鉄靴 さん

    ワンコもワンコの「カタチ」をしているものも出てこない。主人公にもその彼にもミナシロさんにも共感出来なかった。命は有限で時間は命そのものだと思うけどその相手でいいのかな?(各自)。多様性の承認て耳触りはいいけどこのような虚しさが付きまとい続けるのかなと思う。自分の身体を含め本人自身が自分の人生を受け止められないうちは何をしても満たされないのではないか。受け入れることが出来ればどんなルートでも頑張れる。そうでないうちは身体の事や何やらで潜在的に言い訳を探し続けるループだろうね。問題は「身体」ではない★★☆☆☆

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