博徒の幕末維新 ちくま新書

高橋敏(歴史学)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480061546
ISBN 10 : 4480061541
フォーマット
出版社
発行年月
2004年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
高橋敏 ,  
追加情報
:
18cm,249p

内容詳細

錦絵や講談・浪曲、大衆小説などでおなじみの竹居安五郎、勢力富五郎、武州石原村幸次郎、国定忠治、黒駒勝蔵、水野弥三郎らのアウトロー群像を、歴史学の手法にのっとって幕末維新史に位置づけ直す、記念碑的労作。

【著者紹介】
高橋敏 : 1940年生まれ。1965年東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。文学博士。群馬大学教授を経て、現在、国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授。専門は近世教育・社会史、アウトロー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • マッピー さん

    幕末、伊豆の新島から流人が島抜けをした。清水の次郎長の敵役として有名な竹居安五郎。彼の島抜けを手伝った大場久八は、翌年のペリーの再来に向けて大急ぎで建造しなければならないお台場のために、石や人手を差配し、韮山の代官・江川英龍のもとに送り届けた。そのため、竹居安五郎の島抜けを見逃さざるを得なかったのだという。民間に残されていた古文書を紐解きながら事実を解き明かしていく過程は、わくわくするほど面白いのだけど、やっぱり小説の方が楽しいのだ。事実は必ずしもカタルシスを与えてくれないしね。

  • 塩崎 周司 さん

    幕末と言えば、薩長土肥、会津、水戸、幕府といった武士の戦いだと思いがちだが、歴史を詳細にみれば、そこには博徒の姿も見て取れるのだ。清水次郎長が幕府側につけば、その仇敵ともいえる黒駒勝蔵は官軍に組みしていた。正史に対する稗史にも焦点を当てるべきだという筆者の主張に拍手を贈ろう。

  • にゃん吉 さん

    稗史のアウトローを通じて歴史を叙述する試み。お馴染みの清水次郎長、国定忠治も多少出てきますが、竹居安五郎、勢力富五郎、黒駒勝蔵の話が中心です。子孫にあたって史料を見つけ出したり、数少ない史料から事実に迫ろうとする労力には感服。安五郎の島抜けとか赤報隊に対する対応、処遇などの、権力側のアウトローに対する姿勢、関わり方から、当時の治安警察の状況、世相、村社会の様子などが垣間見え、試みは成功しているかと。村方騒動や、村同士訴訟に結構な紙幅が割かれたり、散漫に感じるところもありますが、それはそれで興味深い。   

  • ふーいえ さん

    歴史の裏でアウトローの存在。島抜けの話などここまで重罪とは。

  • tkm66 さん

    学者っぽく無い・それで居て要点は外さない文章は分かり易い。内容も一々興味深く、黒駒の勝蔵の親分筋・ドモ安こと竹居安五郎に訴状を書ける程の素養があったと初めて知った。

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