挫折しない英文法 関係代名詞は簡単に理解できる 幻冬舎ルネッサンス新書

高桑潤

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784344975002
ISBN 10 : 4344975006
フォーマット
発行年月
2018年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
高桑潤 ,  
追加情報
:
281p;18

内容詳細

日本の学校現場では、英文読解を中心に英語学習を行い、「和文英訳」を後回しにするのが一般的だが、この学習法こそ、多くの日本人が文法学習でつまずく最大の原因であると著者は指摘する。「和文英訳」を通して短時間かつ確実に英文法を習得する方法を教え、「なんだ、こんなに簡単なことだったのか」と英文法の苦手意識を克服させてくれる一冊。

目次 : 第1章 事前準備編(なぜ英文法の学習でつまずくのか/ 本書の使い方)/ 第2章 和文英訳編(品詞の区別/ 和文と英文の基本語順/ be動詞が必要か不要か/ 関係代名詞:語順/ 関係代名詞:4つの重要ポイント ほか)/ 第3章 英文和訳編/ 第4章 注のまとめ、問の再録

【著者紹介】
高桑潤 : 1970年北海道生まれ。北海道の複数の公立高校での勤務を経た後、兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程)単位取得退学。現在、国立長野工業高等専門学校准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

★
☆
☆
☆
☆

1.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
1
★
☆
☆
☆
☆
関係代名詞は簡単に騙して教えられる ─ Th...

投稿日:2019/01/13 (日)

関係代名詞は簡単に騙して教えられる ─ This I can’t blieve!  2000年代の前半までに英語教育を受けられた方々には寝耳に水、としか思われないような奇抜な説明方法が、2000年代後半以降、受験参考書等を含めて、予備校、高校等の英語教育の領域で猖獗を極めている。文法問題の「空所」(つまり、正解)が「関係代名詞の目的格」である場合、例えば、 If there is anything [(文法問題としての空所)] you want, just call on me. である場合、〈新式〉の説明法では、〈you が S で want が V だけど、want は他動詞だから、後ろにあるはずの O が抜けているね〉 ─ ここまでならまだそれ程滑稽ではないと言えるものの ─ 〈これは、O が元々欠けているんだ、(「空所」を除いた)この節は不完全な文だ、これを不完全文と呼ぶのだ〉! 説明の仕方が少しずつずれて来て、文法問題として設定されているに過ぎない「空所」が、従属節、つまり〈関係詞節〉から排除され、「空所」以外の部分が英文として何か意味のある単位であるかのような説明が出来上がってしまった。そればかりではない、〈答えが関係副詞なら、(「空所」を除いた部分は)完全文だ!〉の怒号によって、〈完全文/不完全文〉なる擬似用語が捏造され、文法問題への解説の領域から逸脱して、あらゆる英文に〈完全/不完全〉があるかの如く得意気に教える輩(勿論、教師のこと)さえ出現しているようだ。  しかし、最も重要なことは、日本の英語教育では元来、〈制限用法の関係詞〉自体に、つまり、「語」自体に、意味があるとは想像も出来ないように学習者を籠絡してしまう程に、〈関係詞節は先行詞に掛けて訳す〉という、日本語中心主義の発想が既に猖獗を極め尽くしていたわけである。幾ら〈掛けて訳〉しても、その日本語訳に〈関係詞〉と呼ばれる語自体の意味は直接には見えない。そんな〈掛けて訳せ〉を幾千回も呼号するのが生業である英語教師たちには、〈関係詞〉の「語」自体の意味が意識から完全に消去されてしまうという、実際の所、極めてゆゆしき意識状態が根付いてしまい、それに従ってしか彼女ら彼らは思考できなくなっているのである。  こんな事態の極度の深刻さを反省する代わりに、それとは全く逆の方向へと、つまり実は〈伝統〉に従って準備された拍車に相乗りして、突き進んで行く、上述の濁流が急速に形成されてしまった。それくらいで止めておけばよいものを、はたまた、愚かにも、その流れの勢いを借りて更に先へと滑り行こうとする者たちまでが現れている。それが(私が確認している限りでは)『コンパスローズ英和辞典』(の「文法解説」)と、この『挫折しない・・・』と、である。余りに滑稽にして無様なので、一度、書店で手に取ってご覧になることを敢えてお勧めする ─ 必ず笑えるから。前者では〈空所〉、後者では〈空白〉なる ─ 他の何処かで捏造されたはずである ─ 〈用語〉を駆使(!)して、〈主格の関係代名詞〉までもが見事に(!)説明してある ─ それも、中学校教科書伝来の、ここに書き写すのも恥ずかしくて控えられるくらいの、情けない程水準の低い例文で。『コンパスローズ・・・』で〈主格〉の例文に一つ、この『挫折しない・・・』では至る処に、その〈空白〉をわざわざ明示して印刷してあるのだ! この書を手に取ってご覧いただくまでもない、例えば、...the man who is a friend of mine... であれば、who と is の間に〈空白〉があるそうなので、この〈空白〉をどうしても読み込まないといけないらしいのである。(元?)高校教師らしい素朴な愚鈍さもここに極まれり、という感を抱かざるを得ない。  しかし、現在、受験勉強中の多くの学生諸氏が、この様なまさに文字通りの〈空〉論を、恰も何か正当性があるかの如く繰り返し聞かされている現状には、決して笑いを向けてはならない。当然のことながら、〈欠けてる〉説に従うと、〈関係詞〉は本当は全く理解できないわけであるから、解けない類の文法問題もより多くなり、そればかりか、〈関係詞〉に関わるか否かを問わず、あらゆる場面で無用に混乱させられるだけで、そこには一切何の有用性も存しないからである。  何も政治の場面に限らず、あらゆる人間の社会関係の領域で、騙すことも、騙されて生きることも、ごく〈正常〉と化してしまっている今日、2019年の日本の社会にあって、〈関係代名詞〉を騙して教えることくらい、英語教師たちにはとても〈簡単〉な、しかもそれでもって商売が出来る打ってつけの、生き残るための技術となっているのかも知れないが、当然にも〈不完全主義者〉たち自身は、自らの〈新説〉が完膚無きまでに虚偽によって成り立っていることを知らない。その者たちは、流行に敏感であると言うよりは寧ろ、日本英語教育伝来の日本語中心主義に忠実過ぎる、即ち善良過ぎる、のである。だから、この機会に、実際にはその技巧も、〈伝統文法〉〈学校文法〉なる、元来論理無視、と言うか、論理なしの環境に馴致され尽くした自らの虚偽にして善良な頭脳が生み出すか、受け入れるかした、幻に過ぎない、のを厳しく思い知らされる機会を持つのも、そろそろ、よくはあるまいか?〈主格の関係代名詞〉を説明するのに、わざわざ〈空白〉を持ち出さなくてはならない程に、皆さんの頭脳の中には空文句の〈文法用語〉だけが居座って、《意味》(即ち《概念》)は存しないのであろうか?  付論1:〈関係詞節〉から〈関係詞〉を除外して平気でいられる発想の、つまり、現況の〈空論〉の、出来を招いた原因としてもうひとつ考えられるのは、文法問題の答えが〈目的格〉である場合に、或いは文章読解に際してでもよい、その that、which 等は〈目的格だ〉或いは〈Oだ〉と、それ自体は間違っているわけではない仕方で説明しても、更には、その文の下に O と S と V との記号を付したとしても(〈基本要素〉が従属節中にあっても、自分の説明法に不都合なら、その記号を故意に記さないという、安河内氏のような、姑息な流儀もある)、その従属節が《O・S・V》構文なのだ、と、明確に言い切ることができないような環境が整い過ぎていたのだ。それは〈基本5文型〉論の根本的な欠陥に由来する。〈基本要素〉だけを余りにも強調し過ぎる慣例に禍されて、例えば、第3文型と言えば、S と V と O とがそれ以外の順番で並ぶことへの、或いは Vt と O との間に M (この記号をを仮に認めておく)があることが多い事実への、想像力を根絶してしまう程に、最も単純な語順だけ、それも主節に現れる例だけに注目するように強要され、従って、〈関係代名詞〉節中の文構造も同じ〈基本要素〉によって成り立っていることが途方もなく忘却され、他方で、《O・S・V》それ自体は、おそらくすべての教科書、参考書の類で巻末に回されている〈特殊構文〉の章に、付け足しの如くに、誤って、それも《V・S》(〈倒置〉と呼ばれて来た類)と事実上混同された上で、投げ入れられて来た。  確かに、外国語の《語》自体の《意味》を的確に把握するには、つまり《概念的に把握する》には、修練を要し、従って多大な時間をも要する。一方、文を「訳す」のはそれと比較にならないくらい簡単である。だから、学校教育の内部ではそれは無理だというのが専門家諸氏の認定であると仮定するなら、悲憤慷慨しつつも最大限に譲歩して、〈制限用法の関係詞〉の語自体の意味をあからさまに教えないのを認めるとしても ─ まさにその教えは秘教の域にあり、秘教のままに留めておくのもそれなりに蠱惑的ではある ─ 〈関係詞節〉の文構造として《O・S・V》があるのは当然だと誰もが考えられる状況が少なくとも作られていれば、この『挫折しない・・・』や『コンパスローズ・・・』の如き〈空〉論の出現を防げられたのではないであろうか? 英語を教えておられる方々には、〈この関係詞は目的格だ、Oだ〉と一方で言っておきながら、そこに《O・S・V》構文があるのにご自身が事実上気づいていないことに思いを至らせていただきたい。This I can’t believe!

美山有典 さん | 京都府 | 不明

0

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

高桑潤

1970年北海道生まれ。北海道の複数の公立高校での勤務を経た後、兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程)単位取得退学。現在、国立長野工業高等専門学校准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

プロフィール詳細へ

語学・教育・辞書 に関連する商品情報

おすすめの商品