有性生殖論 「性」と「死」はなぜ生まれたのか NHKブックス

高木由臣

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784140912126
ISBN 10 : 414091212X
フォーマット
出版社
発行年月
2014年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
237p;19

内容詳細

生物進化における有性生殖の獲得は、老化・死という「寿命」と、次世代誕生という「若返り」を生物にもたらした。しかし、なぜ無限に増殖する能力を捨ててまで、生物は有性生殖を行い、性を持たなければならなかったのか。「遺伝的多様性を得るため」という通念的な回答をしりぞけ、絶えることない遺伝子の突然変異を吟味検証し調整する、抑制系の進化という視点から解き明かす。iPS細胞など最新の動向も視野におさめながら、生物進化の本質に迫る画期的生命論。

目次 : 序章 ゾウリムシと私/ 第1章 有性生殖の意味論/ 第2章 有性生殖の起源論/ 第3章 有性生殖の進化論/ 第4章 抑制系の進化/ 終章 要約と展望

【著者紹介】
高木由臣 : 1941年、徳島県生まれ。静岡大学卒業。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。同博士課程中退後、京都府立医科大学助手・講師。奈良女子大学助教授・教授・理学部長を経て、2005年定年退職。奈良女子大学名誉教授。理学博士。専攻は発生遺伝学、細胞生物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 磁石 さん

    有性生殖は進化の証、遺伝子の多様化によって種の全滅を防ぐことが出来る。コレが今までの考え方。でもこの著者は一味違う。本来の生物は、無性生殖でも事足りていて充分に複雑多彩でもあった。人間の双子がそうであるように、遺伝子が同じだからといって同じ存在にはならない。そして何より、不死でもあった。食べ物さえあればいくらでも生き、いくらでも同胞を増やせる。でも、地球には限界があった。暴走する彼らを止める存在が必要だった。同胞を捕食し尚且つ遺伝子が汚染されないようにする仕組みが、必要だった。検閲装置としての有性生殖。

  • bapaksejahtera さん

    ゾウリムシを材料に生物の性と死について説く。冒頭著者の研究者としての出発を述べた上で、生物の老と死の起因であるとする有性生殖論についての記述。些か難解となる。生物の性と言うと一般には個体の性とその配偶子を混同しがちであるが、著者はその誤りを発生学的進化論的に説明する。遺伝子の多様性の獲得には当然突然変異体の評価と将来に向けた保持が重要となる。これが倍数性の発現により可能となる。更に真核生物以降の高等生物は、種の維持の為に生育に伴う抑止要因が必須となる。その極みとして個体死が設定される。諒解せざるをえない。

  • 坂口衣美(エミ) さん

    いま生物学が熱い!と言いたくなる本。相同染色体や減数分裂など、学生時代を思い出す用語が目白押し。生物は寿命を持たないのが本来の姿だったというのは驚き。プラナリアの実験では、すりつぶしたプラナリアを餌にするらしい。これもまた驚き。老化や死をどうとらえるべきかと哲学的な部分もあり、生物学の分野から「人生」「生き方」を考えることもできるのだと思った。

  • おかもと さん

    長くゾウリムシの研究をしてきた著者の有性生殖というものはなんなのか?ということへの1つの仮説です。有性生殖は、染色体の1倍体化と2倍体化を利用した、遺伝子のチェック機構と安全機構である。というのが、仮説の中心主張です(たしか)。哺乳類の常識は、生き物全体に当てはまる常識ではなない。著者は、ずっとゾウリムシを見てきたからこそ、有性生殖という非常に広い概念の根本を思いつくにいったったのだろうなと思う。

  • GASHOW さん

    全ての生き物に死はプログラムされているという思い込みが間違いであった。人類は、必ず死ぬが、それは進化によって得たものだという。老人が生きながらえることが種の存続の害にあたることは、今日の日本ね問題と重なるところが面白い

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