わたしの渡世日記 上 新潮文庫

高峰秀子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101369815
ISBN 10 : 410136981X
フォーマット
出版社
発行年月
2011年12月
日本
追加情報
:
367p;16

内容詳細

「お前なんか人間じゃない、血塊だ」―養母に投げつけられた身も凍るような言葉。五歳で子役デビューし昭和を代表する大女優となった高峰秀子には、華やかな銀幕世界の裏で肉親との壮絶な葛藤があった。函館での誕生から戦時下の撮影まで、邦画全盛期を彩った監督・俳優らの逸話と共に綴られた、文筆家・高峰秀子の代表作ともいうべき半生記。日本エッセスト・クラブ賞受賞作。

目次 : 雪ふる町/ 旅のはじまり/ 猿まわしの猿/ 土びんのふた/ つながったタクワン/ 父・東海林太郎/ 母三人・父三人/ ふたつの別れ/ お尻がやぶれた/ 鎌倉山の女王〔ほか〕

【著者紹介】
高峰秀子 : 1924‐2010。1924(大正13)年北海道生れ。5歳で子役としてデビュー。以降、「二十四の瞳」「浮雲」「名もなく貧しく美しく」など400本を超える映画に出演した昭和を代表する女優。随筆家としても知られ、多くの著書がある。『わたしの渡世日記』では、日本エッセイスト・クラブ賞受賞。2010(平成22)年12月28日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • どんぐり さん

    鶴見祐輔原作の『母』(1929年)という映画に5歳の子役でデビューし、昭和の大女優といわれた高峰秀子の自叙伝である。「高峰秀子」の名は、活弁士であった養母志げの芸名からとられており、この養母がいまでいう「毒親」ともいうべき存在だ。上巻は、「母三人・父三人」という東海林太郎の養女にされそうになったことや、黒澤明との間に生まれた恋が養母の横やりによってダメになる事件も起きる。田中絹代バッシングに憤慨し、紫綬褒章の慶事に「ざまあみやがれ…」という高峰の文章は実に小気味いい。銀幕秘話もあって面白い。さらに下巻へ。

  • ごへいもち さん

    有名なので気になりながらなかなか読めなかったエッセイ。おそらく人気女優の生活がこんな風に貧しいものとは思えなかったのでその落差に驚いた人が多かったのでは?ただひたすら可愛がられたという子役時代。本人でさえなぜこんなに可愛がられた?と

  • なにょう さん

    【購読】いやはや面白い。ロッパにエノケン。新村出博士。田中絹代さんに原節子さん。黒澤明に山本嘉次郎監督。映画撮影所の申し子。撮影所を学校に難しい思春期もくぐり抜けて、一人前の女優になるまで。大正の末に生まれ、昭和と一緒に大きくなったデコちゃん。国破れてさあ、どうする。★昔の人は無茶苦茶だ。「肉親」から金をたかられるのは当然だ。今の「毒親」どころの騒ぎじゃない。デコちゃんの稼ぎをあてにする「肉親」は10人近く。だが女史は環境を言い訳にしない。★とっても面白い。来年は良い年になりますように。

  • tomi さん

    とても歯切れのいい文章で綴られた自叙伝。養母との確執や稼いだ金を毟り取る兄といった壮絶な話でもどこかカラッとした文章が魅力的です。子役から活躍した著者から見た当時の映画界の様子や、著名人の意外な素顔等々興味深い話が満載。著者を養女に迎え溺愛した東海林太郎、高峰秀子のポスター写真で書斎を埋め尽くした「広辞苑」の新村出博士には驚きました。

  • 小豆姫 さん

    この上巻は、5歳の子役デビューから終戦の21歳頃までの半生記なのだけど、その凄まじい濃密さに圧倒される。複雑な家族環境や養母との確執も赤裸々に綴られてて、そのなかで悩み苦しんできた一女優の内面史だけでなく、戦争に翻弄される昭和史、映画史としても貴重な一冊だと思う。歯切れの良い文章にぐいぐい引き込まれて、前のめりで下巻へ。

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高峰秀子

大正13(1924)年北海道生まれ。5歳のとき「子役」として映画界にデビュー。その後「二十四の瞳」「浮雲」「名もなく貧しく美しく」など多数の映画に出演。著書に『わたしの渡世日記』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)などがある。平成22(2010)年12月28日、逝去。享年86(本データはこの書籍が刊行

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