よみがえる北海道の鉄道・軌道 昭和20〜50年代、C62から炭鉱鉄道までの完全記録

高井薫平

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784054054271
ISBN 10 : 4054054277
フォーマット
発行年月
2012年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
190p;26

内容詳細

山線に挑むC62、各地の炭鉱鉄道と森林鉄道…。昭和20年代から50年代の北海道の路線が、秘蔵写真の数々で想い出と共によみがえる!根北線・美幸線・白糠線等の初出写真も掲載。

目次 : 第1章 カラーでよみがえる北海道の鉄道・軌道/ 第2章 国鉄線/ 第3章 私鉄と炭鉱鉄道・専用線/ 第4章 路面電車と地下鉄/ 第5章 森林鉄道/ 第6章 殖民軌道と客土事業

【著者紹介】
浅原信彦 : 昭和16年、横浜生まれ。昭和39年、慶応義塾大学経済学部卒。同大学鉄道研究会OB。鉄研三田会員。鉄道に関係のない民間会社勤務のかたわら、主に国鉄電車・機関車についての趣味・研究活動を続けて今日に至る

高井薫平 : 昭和12年、東京生まれ。昭和34年、日本学生鉄道研究会連盟発足に伴い初代会長。昭和35年、慶應義塾大学法学部卒業。合資会社ユタカ製作所入社。株式会社ユタカ製作所代表取締役社長等を歴任し、現在は社団法人日本鉄道車輌工業会参与。慶應義塾大学「鉄研三田会」前会長(第5代)、鉄道友の会東京支部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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タイトルの通り、昭和20〜50年代(西暦では...

投稿日:2021/04/15 (木)

タイトルの通り、昭和20〜50年代(西暦では1945-1984年に相当)の北海道の鉄道・軌道を網羅的に集成することで、現在の有無にかかわらず、以下の路線すべてについて写真つきで紹介されている。取り上げられている路線項目は以下の通り。 函館本線/江差線/松前線/瀬棚線/岩内線/函館本線南美唄支線/手宮線 札沼線/千歳線/幌内線/歌志内線/深名線/室蘭本線/胆振線/夕張線 万字線/日高本線/富内線/根室本線/富良野線/士幌線/広尾線/白糠線 石北本線/池北線/相生線/釧網本線/標津線/根北線/留萌本線/羽幌線 宗谷本線/美幸線/天北線/興浜北線/名寄本線/興浜南線/渚滑線/湧網線/寿都鉄道/茅沼炭化鉱業専用線/定山渓鉄道/夕張鉄道/三菱鉱業美唄鉄道/三菱鉱業大夕張鉄道/三井鉱山奈井江鉱業所専用線/藤田炭鉱宗谷鉱業所専用線/三菱鉱業芦別鉱業所専用鉄道/三井芦別鉄道/ 北海道拓殖鉄道/十勝鉄道/雄別鉄道/雄別炭礦尺別鉄道/釧路臨海鉄道/根室拓植鉄道/留萌鉄道/明治鉱業庶路鉱業所/天塩炭礦鉄道/明治鉱業庶路炭鉱専用線/羽幌炭礦鉄道/旭川電気軌道/北海道炭礦汽船真谷地炭坑専用線/北海道炭礦汽船美流渡炭鉱専用線/油谷鉱業所専用線/三美運輸(三美鉱業専用線)/日曹炭鉱天塩鉱業所専用線/角田炭礦専用線/日本セメント上磯工場専用線/日本甜菜製糖磯分内工場専用線/北日本製紙江別工場専用線/士別軌道/札幌市電(札幌市交通局)/函館市電(函館市企業局)/旭川市街軌道/札幌市営地下鉄(札幌市交通局)/温根湯森林鉄道/ムリイ・上丸瀬布森林鉄道/芦別森林鉄道/主夕張森林鉄道/下夕張・夕張岳森林鉄道/定山渓森林鉄道/歌登町営軌道/浜中町営軌道/鶴居村営軌道/幌延町営軌道/別海町営軌道/知内の客土事業/雄別鉄道の車窓から確認された河川整備事業 当時、北海道には実に多くの鉄道・軌道が張り巡らされていた。その中には、乗客や貨物を運ぶもの、石炭や森林資材を搬送するものに加え、北海道特有の殖民軌道というものまであった。その目的は、当時の国家的事業であった北海道の開拓である。原始の大地を切り拓くため、多くの人が移り住んできたわけだが、その末端部では、道路等の整備さえままならず、開拓のための資材搬送と、人の移動を確保するため、各地方自治体は「殖民軌道」を整備した。その総延長は最盛期では600kmに及んだと言う。加えて、山間部の森林、石炭といった資源を搬出するため、驚くほど奥深くまで、鉄道は敷かれていた。現在の路線図しか知らない人が、その全貌を知ったら驚くに違いない。現在、それらの遺構は、人知れず山野に埋もれていることが多い。私は、北海道を旅していて、「どうして、こんなところにこんな人工物が」という驚きにたびたび遭遇し、その由来に興味を持つうちに、鉄道・軌道の歴史を知るようになり、ひいてはかつて張り巡らされていた鉄道網の全容を知りたいと思うようになった。とはいっても、それはたいへん難しいことだ。まず資料が少ない。これらの軌道には、時刻表にさえ記載されていないものが多く、往時の地図の記載も、不正確なことが多い。幸いにもある時期の地形図に記載されていたとしても、路線の線形が誤っている場合もある。年月とともに、人の記憶から去る一方で、その物理的証拠であった痕跡さえも、野に帰りつつある。そのような中、本書は、北海道の鉄道の黄金期と呼べる時代の、高品質な写真を網羅的に集成したという点で、たいへんに貴重だ。本書では地図等のデータは割愛されている。掲載されている文字情報は、国鉄線に関しては、「区間」「旅客駅数」「沿革」、他の鉄道・軌道については「区間・距離」「動力」「軌間」というシンプルなものだ。なので、そういった視点では、他にもっと優れた資料は存在する。しかし、それを越えて見事なのは、集められた写真の数々である。いずれも名のある鉄道研究家たちによって記録されたもので、それだけに視点、焦点のしっかりした目的意識の高い写真であり、当時の状況、車両の様子などが、克明に分かるものとなっている。すべてを象徴する一点を、絞り込んだような、渾身の一枚が集められている。また、網羅性という点でも見事。ほとんど知られていない私企業の専用線まで対象に含めた編集陣の熱意には、敬意を払いたい。1枚の写真の価値が、現在とは比較にならない当時にあって、これほど情報量の多い写真が残っていることを把握し、それを発掘し、一冊の本にまとめあげるというのは、相当な労力と調査が必要だったに違いない。そのような高い編集意識によって選定された写真は、フアンにはとても納得がいくものが選ばれている。例えば、留萌本線の場合、石狩沼田駅の構内が一望できる写真になっている。現在では行き違いのできないホーム一つきりの駅(使用されなくなったホーム跡が残る)だが、かつては札沼線が分岐し、当然の様に留萌線の行き違い設備を備えていた。その当時の構内の様子が一目でわかる写真が採用されている。流石である。私の気に入った写真を挙げだすときりがないのだけれど、デッキまで溢れた人を乗せて走る鉱業鉄道や、広大な上芦別貯木場ヤードに進入するC29牽引の運材列車、それに1957年(昭和32年)8月の雄別鉄道の車窓から「偶然発見し」撮影された河川整備等のために臨時で敷設された軌道など、このような企画が無ければ、永遠に失われていたであろう瞬間が、本書にある。このような良質な媒体として、改めて記録されたこと自体に、一抹以上の感動を覚える。また、路面電車などの写真の背景を担う失われた昭和の街並みや、人々の生活の姿も、ほどよい演出となって、往時の交通の在り様を、蘇らせてくれる。まさに、タイトル通りの素晴らしい書物である。

ココパナ さん | 北海道 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Penguin さん

    【図】実際に見てみたいo(^o^)o

  • epitaph3 さん

    北海道にはこまい鉄道あったんだなあ。そういや、昨日食べたこまいって肴はおいしすぎた。

  • Penguin さん

    【図】廃線巡りの確認のため

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高井薫平

1937(昭和12)年、東京生まれ。1960(昭和35)年、慶應義塾大学法学部卒業。株式会社ユタカ製作所代表取締役等を歴任、日本鉄道車輌工業会参与。慶應義塾大学「鉄研三田会」第5代会長(2012年退任)。「鉄道友の会」参与、東京支部長

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