天才の精神病理 科学的創造の秘密 岩波現代文庫

飯田真

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784006000578
ISBN 10 : 400600057X
フォーマット
出版社
発行年月
2001年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15

内容詳細

科学的創造は科学者の強烈な個性によって成し遂げられる。ニュートン、ダーウィンら六人の天才科学者の精神病理が人生の転換期や危機と絡まり合って、創造性にどのような影響を与えたのか。科学者としての業績を描きながら、分裂病圏、躁うつ病圏、神経症圏に分類される気質とその創造性の特徴を明らかにする人間研究。

目次 : アイザック・ニュートン/ チャールズ・ダーウィン/ ジグムント・フロイト/ ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン/ ニールス・ボーア/ ノーバート・ウィーナー/ 科学者の精神病理と創造性

【著者紹介】
飯田真 : 1932年生まれ。東京大学医学部卒業。新潟大学医学部教授を歴任

中井久夫 : 1934年生まれ。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。甲南大学文学部人間科学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 有理数 さん

    大変面白かった。本書は、ニュートン、ウィトゲンシュタインといった歴史上の天才とされる人物たちの生涯を精神的・心理的に分析し、彼らの業績と病的な側面の関係を集成する。これを病蹟学というらしい。例えばニュートンなどは人間不信で引きこもりがちな一生を送ったが、彼の天才的な業績は、彼を「現実」に連れ出す理解者の登場と深く関係があることが、様々な過去の記述から見えてくる。このように、天才の発想や偉業の裏には、複雑な人間関係と生活、性格といった病的な背景と一定の法則が存在することを、本書は伝記的な筆致で紡いでいる。

  • ピンガペンギン さん

    1972年の本。ニュートン、ダーウィン、フロイト、ヴィトゲンシュタイン他の欧米科学者の病蹟学的な伝記。先日読んだ最相葉月「セラピスト」では中井久夫氏が脱因果的な思考が治療に重要だと言っていたので、この若い時の本を本人がどう思っていただろうという気はする。解説は養老孟司で「病蹟学は消えるだろうという意見があるが、そう思わない」とあった。脳科学で全てが説明できるという物証はないからだそう。量子力学の父と言われるニールス・ボーアの章が面白かった。

  • まりお さん

    6人の天才科学者を、「精神疾患」という視点から一生を考察したもの。天才を、精神の病であるという視点からの考察に興味を抱き、この本を選んだ。この視点からの見ると、何だか常に不安定さが付きまとっているように感じられた。

  • 袖崎いたる さん

    分裂病圏、躁うつ病圏、神経症圏の三すくみが展開する科学の創造史。精神的に参ってる人が本書から参考になるライフスタイルやライフクリードを看取することは可能。

  • kotoniai さん

    中井久夫について知ろうと思って読み始めたけど、色んな偉人について知識が深まったことの方が収穫になったよ。みんなに天才って言われてる人でも、生活は結構ぼろぼろで、特に人間関係なんかは破綻してて大変なんだなあって思った。中井久夫と飯田真はそういう天才たちを穏やかに眺めている感じがして好感が持てたよ。あと、天才たちの精神病理を語りつつ、彼らの業績を軽く、分かりやすく解説してくれてるのでお得感が高い!

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飯田真

1932年生まれ。東京大学医学部卒業。新潟大学医学部教授を歴任

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