自生の夢 河出文庫

飛浩隆

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309417257
ISBN 10 : 4309417256
フォーマット
出版社
発行年月
2019年12月
日本
追加情報
:
320p;15

内容詳細

天才詩人アリス・ウォンが謎の存在“忌字禍”に倒れた。その怪物を滅ぼすために、七十三人を言葉の力で殺害した稀代の殺人者が、いま召還される―星雲賞を受賞した表題作、同賞受賞の「海の指」他、全七編。最先端の想像力、五感に触れる官能性、現代SFが生んだ最高峰作品集。第38回日本SF大賞受賞。

【著者紹介】
飛浩隆 : 1960年、島根県生まれ。島根大学卒。81年、「ポリフォニック・イリュージョン」で第1回三省堂SFストーリーコンテストに入選、「SFマガジン」に掲載されてデビュー。92年までに同誌に10編の短編を発表。その後10年の沈黙を経て、2002年に長編『グラン・ヴァカンス 廃園の天使1』を発表、一躍脚光を浴びる。05年、『象られた力』で第26回日本SF大賞、07年、『ラギッド・ガール 廃園の天使2』で第6回Sense of Gender賞、18年、『自生の夢』で第38回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ざるこ さん

    呑み込んだ地球の情報を保存した灰洋が演奏する「海の指」額縁の中の宇宙「星窓」目に浮かび音が聴こえてきそうな刺激。「自生の夢」の連作は難解。なのにおもしろいと感じてる。もっとしっかり捉えたいと最初に戻って読み返す。記録されていく厖大な文字や言葉。文字は乱舞し重なり合い融合し台風を巻き起こす。言葉で人を殺す。とても静かでクリアな文章の「内部」の果てしなさは圧倒的。文字が縦横無尽に駆け巡り「何か」が構築されていくような映像が頭にこびりつく。解説で著者の伊藤計劃氏への想いを知り、また新たに読み返したくなった。

  • スカラベ さん

    オマージュとなる背景を知らないと難解で理解できないところも多々あるが、洗練された煌びやかな語りは心地よく耳に響き、世界の有り様に想いが及ぶ読後感。表題作は人間の思考や感情が広く文字として世界中に書き記されている未来が舞台。そこに忌字禍(イマジカ)という禍が現れ人命を奪い、物語は歪み崩壊し書物が病魔に侵される。言葉によって人を殺めることのできる間宮潤堂がこれと対峙するため蘇生する。フランケンシュタインのごとくつぎはぎで蘇った潤堂。様々な作品を参照して創り出されたこの小説自体も怪物へと変貌していることに驚く。

  • シタン さん

    『2010年代SF傑作選1』でも選ばれた「海の指」と、人間の思考や感情をリアルタイムに書き留めるテクノロジーCassyが存在する世界を描いた作品群が収録されている。余りに文学的で幻想的な作風。なかなか難解で、「うーんこれはどういう意味なんだろう」と唸りながら読み進めたのだが、解説を読んでぶっ飛んだ。こんな深い意味があったのかと。GEBはゲーデル・エッシャー・バッハから来ているなどは無駄に気づいたが笑。怪物的解説。怪物は貴方の方じゃないですか、伴名練さん。いよいよ『日本SFの臨界点』が楽しみになってきた。

  • Shun さん

    イマジネーションに溢れるSF世界に初めて遭遇する時の興奮を感じた。表題の「自生の夢」はまずその世界観に圧倒されます。上手く伝えられませんが、書物や映画などの創作物に改変の力を働かせる<忌字禍(イマジカ>なる謎の存在は、天才詩人アリス・ウォンの詩作に利用されてきた情報空間を通じ伝播、そして多くを死に至らしめる。これを倒すために白羽の矢が立ったのは、言葉の力で73人を殺害した稀代の殺人者という物語。難解な部分は多いが、思考をリアルタイムで文字に抽出する近未来のインタフェース等で描かれる世界観は刺激的です。

  • シキモリ さん

    この作品も恐らくは著者の膨大な想像力の一端に過ぎないのだろうな。設定はSFだが、文学的で叙情的でロマンチックな作品群。ノスタルジックで怪奇的な「海の指」と「星窓」が特に刺さる。表題作を含むアリス・ウォン関連作や「はるかな響き」では【ことば】の可能性が主軸となっている。近い将来、AIが自由意思を持つ未来が訪れようと、生身の人間が持つ言葉の力はそれを凌駕すると信じたい。私は頭で作中の場面をイメージしないと文章を譜に落とせない質だが、Cassyの世界観をイメージするのは至難の技だった。是非改めて再読したい作品。

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飛浩隆

1960年、島根県生まれ。島根大学卒。81年、「ポリフォニック・イリュージョン」で第1回三省堂SFストーリーコンテストに入選、「SFマガジン」に掲載されてデビュー。92年までに同誌に10編の短編を発表。その後10年の沈黙を経て、2002年に長編『グラン・ヴァカンス 廃園の天使1』を発表、一躍脚光を浴

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