うんこ文学 漏らす悲しみを知っている人のための17の物語 ちくま文庫

頭木弘樹

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480438669
ISBN 10 : 4480438661
フォーマット
出版社
発行年月
2023年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
356p;15

内容詳細

うんこ。だれでもうんこをする。日々のことだから、ときには失敗もする。でも、みんなそれを隠す。うんこは下品、汚いと嫌がられる。下ネタとして笑話にするのがせいぜい。人前で漏らしたりしたら、それだけで多くを失ってしまう。それはなぜなのか?生きるかなしみとしての排泄、漏らしたときのせつなさ、それを見事に描ききった文学作品を、自身も漏らしたことのある編者が集めた、渾身の名作選!

【著者紹介】
頭木弘樹 : 文学紹介者。筑波大学卒。大学三年の二十歳のときに難病になり、十三年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、『絶望名人カフカの人生論』(新潮文庫)を編訳。NHK「ラジオ深夜便」の『絶望名言』のコーナーに出演中。日本文藝家協会、日本うんこ文化学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ぶち さん

    読友さんのレビューを拝読して、こんなアンソロジーがあることに驚き、ぜひ読んでみたいと思いました。小説、エッセイ、自伝、体験談、落語、漫画まで、様々なジャンルから幅広く選び抜かれた17作品が収録されています。冒頭に収録された芥川賞作家・尾辻克彦(赤瀬川原平)の作品・『出口』に、まずガツンとやられました。だれもが隠して語らない排泄の失敗を、見事に描いています。朝井リョウさんの『ゆとりぬシリーズ エッセイ』のように、漏らすという失敗の悲しみを様々に表現した作品がもっと増え、楽しませてくれることを願っています。

  • fwhd8325 さん

    なかなか読めずにいました。子供の頃の苦い思い出は、大人になって色褪せいましたが、再び鮮やかに目の前に現れたようです。なるほど、文豪も誰も彼も同じじゃないか。苦い思い出としてしまっておくことなく解放してあげることが第一歩なんだ。

  • まこみや さん

    当人にとっては悲劇だが、第三者にとっては喜劇となる。うんこにまつわる体験はそのことを頗るよく示す例だろう。人前で漏れそうな危機を必死で堪える悲愴感・絶体絶命感を経験したことがない人は稀だろうし、その果てに漏らしてしまい、人としての尊厳が崩壊するような絶望感・呆然感を知る人も少なからずいると思われる。なんと大仰なと笑って済ませられる人は幸運な人である。その体験は語るにしろ聞くにしろ笑いに包んでしかやりとりしにくいものである点も深く頷くしかないものだ。生きることの悲劇と喜劇をうんこほど端的に示すものはない。

  • shikashika555 さん

    「漏らす」ことは何故かほどまでにひとを打ちのめし尊厳を損なうのか。 そしてそこから自分を立ち直らせるため、救いを求めるためにも文学は存在する。 いま、ここで その力や救いが得られなくても、時代を超えて残る文学や芸術作品を媒介にすることで、今の時代に同じ経験を抱える人とも繋がっていかれるかもしれない。 これらが読まれているという事がすなわち、同じ体験を有する人の存在を浮かび上がらせているのではないか。

  • たまきら さん

    みんな避けて通れないこの生理現象。自分が思いついただけでも色々あるけれど、ここでは格調高いものから脱力してしまうものまで様々な文章が紹介されています(マンガもアリ)。まあ漫画はわたしならアラレちゃんを紹介するけどなあ…。筒井康隆さんの文章は色々迫るものがありました。人は選ぶかもしれませんが、面白いアンソロジーでした

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