死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五○○日

門田隆将

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784569808352
ISBN 10 : 4569808352
フォーマット
出版社
発行年月
2012年11月
日本
追加情報
:
380p;19

内容詳細

その時、日本は“三分割”されるところだった――。

「原子炉が最大の危機を迎えたあの時、私は自分と一緒に“死んでくれる”人間の顔を思い浮かべていました」。
食道癌の手術を受け、その後、脳内出血で倒れることになる吉田昌郎・福島第一原発所長(当時)は、事故から1年4か月を経て、ついに沈黙を破った。
覚悟の証言をおこなった吉田前所長に続いて、現場の運転員たちは堰を切ったように真実を語り始めた。

2011年3月、暴走する原子炉。現場の人間はその時、「死の淵」に立った。それは同時に、故郷福島と日本という国の「死の淵」でもあった。
このままでは故郷は壊滅し、日本は「三分割」される。

使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いを展開した男たちは、なぜ電源が喪失した放射能汚染の暗闇の中へ突入しつづけることができたのか。

「死」を覚悟した極限の場面に表われる人間の弱さと強さ、復旧への現場の執念が呼び込む「奇跡」ともいえる幸運、首相官邸の驚くべき真実……。
吉田昌郎、菅直人、班目春樹、フクシマ・フィフティ、自衛隊、地元の人々など、90名以上が赤裸々に語った驚愕の真実とは。

あの時、何が起き、何を思い、人々はどう闘ったのか。
ヴェールに包まれたあの未曾有の大事故を当事者たちの実名で綴った渾身のノンフィクションがついに発刊――。


【著者プロフィール】
門田隆将(かどた・りゅうしょう)
1958年高知県生まれ。中央大学法学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。
政治、歴史、司法、事件、スポーツなど幅広いジャンルで執筆。
2010年『この命、義に捧ぐ』(集英社)で第19回山本七平賞を受賞。主な著書に『裁判官が日本を滅ぼす』『なぜ君は絶望と闘えたのか』(以上、新潮社)、
『甲子園への遺言』(講談社)、『康子十九歳 戦渦の日記』(文藝春秋)、『太平洋戦争 最後の証言』(第一部〜第三部)『尾根のかなたに』(以上、小学館)などがある。


【著者紹介】
門田隆将 : 1958(昭和33)年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。雑誌メディアを中心に、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなどの幅広いジャンルで活躍している。『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社)で、第19回山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • mitei さん

    福島第1原発についての一冊。あれから10年近く経って映画化も決まって、当時の方達の挺身が冷静にようやく多くの人に伝わるようになってきたが、原発事故自体は防げたかもしれないけど、こういうもしもが今後も続く原発の管理は人間ではできない世界になってるような気がする。吉田所長達の頑張りに日本が救われたというのは本当に日本人皆が強く記憶していないといけないと思う。また第二第三の吉田所長の立場の方を輩出するような事態にならないで欲しいな。

  • 鉄之助 さん

    福島第一原発・吉田所長の500日を追ったノンフィクション。この原発は、太平洋戦争末期、特攻隊の訓練基地であった跡地に建設された、という。当時多くの若者が命を落とした基地と、死の淵に立ちながら原子炉制御の戦いを続けた職員のシーンが重なる「プロローグ」から、グイグイ引き込まれていった。気になったのは、事故後、急に行われた「首相ご一行様」の現地視察。イラ菅とあだ名される菅直人首相の怒鳴り声が、現場に響く。「必死になった」首相のために、官邸や現場がいかに混乱状態になったかが、淡々とつづられている。

  • おしゃべりメガネ さん

    スゴい、スゴ過ぎる。とにかく『壮絶』としか言い様のない熱きオトコ達の戦いがしっかりと記録されています。東日本大震災で被害を受けた「福島第一原発」において、吉田所長を筆頭に復旧に向けて、とにかく‘使命感`のみで、文字どおり不眠不休で作業に従事する真実の姿が描かれています。本書に書かれている当時の某首相とのやりとりは、とにかく絶句してしまいます。当時も今も色々とメディアに書かれていますが、正義か悪かは別にして、ここに偽りようのないドラマがあり、特に後半の「家族」の章は涙なしには読まずにはいられませんでした。

  • きみたけ さん

    福島第一原発所長として最前線で指揮を執った吉田昌郎氏のドキュメント。突然襲った大地震とその後の大津波、電源喪失状態 は自らの「死の淵」であったと同時に、国家と郷里福島の「死の淵」でもあったはずで、そんな事態に直面した時人は何を思いどう行動するのか、当時の緊迫の状況が伝わってきます。日本の半分が住めなくなる事態を回避できたのは、まだ原子炉建屋に入れる内に「水」を入れるラインを確保できたおかげで、その後の「冷却」が可能になったのが大きいと思いました。吉田所長が事故後1週間経って妻へ送ったメールに涙が出ました。

  • ちょろこ さん

    感謝の念、涙の一冊。あの日、不眠不休で戦ってくれた人達がいたことを改めて心に焼き付ける。まるで戦場。誰もが恐怖を通り越した精神状態で立ち向かう姿に言葉なんかでは足りない言い尽くせない感謝の念、涙が溢れてくる。冷却、あの時の一瞬の吉田所長の判断、指示、それがどれほどの価値に値したのか、それを決して忘れたくはない。今更だが、最悪の事態は回避できたで済ませるべきことではないこと、当然のことをしたと言い切る人達のおかげで今があること。そして何より結果オーライではなく未来へ繋ぐことの大切さ。それが一番大事。

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門田隆将

作家、ジャーナリスト。1958(昭和33)年高知県安芸市生まれ。中央大学法学部卒業後、新潮社に入社。『週刊新潮』編集部に配属、記者、デスク、次長、副部長を経て、2008年4月に独立。『この命、義に捧ぐ―台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、後に角川文庫)で第19回山本七平賞受賞(本データはこの

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