長篠合戦 鉄砲戦の虚像と実像 中公新書

金子拓

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121027856
ISBN 10 : 412102785X
フォーマット
出版社
発行年月
2023年12月
日本
追加情報
:
272p;18

内容詳細

武田の騎馬隊に対し、織田・徳川連合軍は鉄砲を駆使した新戦法で圧勝したとされる。史料を検証し、虚飾に彩られた合戦の実像に迫る。

【著者紹介】
金子拓 : 1967年(昭和42年)、山形県に生まれる。東北大学文学部卒業後、同大学大学院に進み、文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。現在、東京大学史料編纂所教授。専門分野は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    長篠合戦について客観性のある史料では鉄砲への言及は少なく、酒井忠次率いる別動隊による長篠城救援作戦が中心だったという。それが江戸時代には参加武将の子孫による先祖顕彰もあって次第に物語化され、戦国の歴史が一変する大会戦とされていった事情が見えてくる。家康絶対視が浸透した江戸期に、武田に圧迫され続けた徳川が信長の支援を受け窮地を脱した歴史的戦争と位置付けられたのだ。徳川支配の正当性を強調するため、鉄砲3千挺で武田軍を壊滅させる信長の軍事的天才ぶりが強調されたのが逆に今日まで至る英雄信長像を確定したのは皮肉だ。

  • よっち さん

    小説や映像で繰り返し描かれる長篠合戦の鮮烈なイメージはどのように形作られてきたのか。伝来する合戦図屏風や様々な関連資料を検証しその実像に迫る1冊。どういう戦いとされてきたのか、長篠合戦像はどう作られてきたのか。武田勝頼、織田信長、徳川家康それぞれの視点から考察するこの戦いの意図。長篠合戦をめぐる記述の変容、当事者・同時代人の証言、江戸時代における長篠合戦の物語化、鳶巣砦攻撃や長篠城籠城、子孫たちの顕彰や合戦屏風図による図像化などを踏まえて改めて考えると、また違った長篠合戦像が見えてきたような気がしました。

  • みこ さん

    長篠の合戦に関する著者の研究の成果をまとめてもらった。桶狭間の合戦のように信長英雄史観を剝がすことで実像が見えてくるが、実はそれは江戸時代に徳川史観で固められたはずの家康を主人公とする合戦だった。勝頼が多くの将兵を死なせることになった経緯や信長がいわば助っ人参戦する経緯などが明らかになり今まで知っていた長篠合戦とは異なる物語を知ることができ非常に興味深い一冊だった。願わくば去年の大河の前に読みたかった。

  • YONDA さん

    長篠合戦をわかりやすくまとめてくれた一冊。一斉射撃や騎馬突撃の有無についても非常に簡潔にまとめられている。戦地の地形を考えると織田・徳川連合軍の戦法が非常に有効だったことがわかる。そして何よりも長篠城にいた奥平家にとっては、この戦いがお家躍進に非常に重要だったことが興味深い。

  • MUNEKAZ さん

    長篠合戦の伝えられ方に重点を置いた構成。結局のところ合戦の詳細がわかる決定的な史料なんて無いのだから、僅かな一次史料と後世に伝えられた家譜などで、それらしいものを探っていくしかない。同時代に近い史料では、「柵」に注目した部分が多いのに、時代が下るほど「鉄砲」への言及が多くなる。屏風絵などの絵画史料でも、鉄砲に注目したものが出てきて、現代の教科書にも掲載されることで、我々の長篠合戦イメージは固まる。近世の徳川史観を、現代の信長英雄史観が乗り越えた代表例という評価が面白い。出来事は一つでも解釈は多様なのだ。

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金子拓

1967年(昭和42年)、山形県に生まれる。東北大学文学部卒業後、同大学大学院に進み、文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。現在、東京大学史料編纂所教授。専門分野は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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