破線のマリス 講談社文庫

野沢尚

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062649070
ISBN 10 : 4062649071
フォーマット
出版社
発行年月
2000年07月
日本
追加情報
:
15cm,391p

内容詳細

首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑤子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった!?事故か、他殺か、一本のビデオから始まる、超一級の「フー&ホワイダニット」。第43回江戸川乱歩賞受賞の傑作ミステリ。

(「BOOK」データベースより)

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他の野沢尚さんの作品レビューにも重複する...

投稿日:2012/02/11 (土)

他の野沢尚さんの作品レビューにも重複することを書いているのですが、この人の物語の着想は興味をそそられて、おもしろいものだと思います。このテレビというメディアを題材にした『破線のマリス』も、設定自体にとても惹かれました。そういった期待をもって読むから余計なのか、やや尻すぼみな印象で、読んだ後印象があまり残らないんです。それなりに楽しめたんですが、私個人の相性の問題か、どうも登場人物の心情にひっかかってしまうことが多いので、心を動かされることがありません。扱っているテーマは凄く面白いだけに、途中でそういう箇所があると残念な気持ちになります。

peko-rock さん | 大阪府 | 不明

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江戸川乱歩賞を受賞した15年前の作品。読了...

投稿日:2012/01/15 (日)

江戸川乱歩賞を受賞した15年前の作品。読了するのに苦労しました。途中、何度も休みながら読み終えました。それほど、不快感がありました。テレビメディアの傲慢さは、変わっていません。むしろ、酷くなっていると私は、思います。数年前の殺人事件で、無実の人を犯人のように発言する、某キャスターなど。(2人ともイニシャルは、M)作品の終わりかたにも、納得がいかない。しかし、現実にはあるだろうな・・・。

寂しい40代 さん | 長崎県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    ミステリーとして見るならば、不満な点があれこれと指摘されそうだ。とりわけ物語の終盤に来て、俄かにバタバタとそれまでの謎の部分の解明がなされ、しかも本質的な部分は結局明らかにならないままに終わる点がそうである。おそらく、この作品の一番の魅力は、テレビの世界が持つ構造的な長所と欠点とをリアルに描き出したこと、またそれを瑤子という魅力的な女性像を通して表現しえたことにあるのだろう。テーマは「真実」(とりわけTV的真実)の虚妄と空虚さを伝えることにあり、その意味でも末尾の1文はまことに秀逸である。

  • イアン さん

    ★★★★★★☆☆☆☆江戸川乱歩賞を受賞した野沢尚の長編。ニュース番組の映像編集を担う瑤子の元に届いた内部告発者による1本のテープ。それは放映利権に絡んで疑惑の死を遂げた弁護士殺害の犯人を示唆するものだった…。それはスクープか、それとも巧妙に仕組まれた罠か。そして瑤子を付け狙う不審者の正体とは。中盤以降の暴走でリアリティを欠いた感は否めないが、徐々に疑心暗鬼に陥っていく心理描写は巧み。乱歩賞受賞で錯覚しがちだが、犯人当ての本格ミステリというより(20年前の)放送業界の内情を暴くサスペンスとして読みたい作品。

  • サム・ミイラ さん

    野心溢れる凄腕女性エディターの栄光と破滅。テレビ局版白い巨塔といったところか。滑り出しは郵政省の汚職と弁護士の謎の死に絡んだ陰謀渦巻く展開に夢中になったが、徐々に本筋から離れ報道被害という視点にすり変わりテレビのもつ公益性と裏腹な危険性、問題提起と自己批判の物語となってしまい肝心の陰謀劇はほったらかしというか全く決着がつかぬままでやり切れなさの残る作品だった。正直解説にあるようなフー&ホワイダニットにはなってないように思う。また真の撮影者の正体もかなり無理があるように感じた。これって面白いのかな

  • 🐾Yoko Omoto🐾 さん

    第43回江戸川乱歩賞受賞作。報道番組の映像編集者「遠藤瑶子」が手掛けたある編集映像により一人の男性の人生と、更には自分自身までもが狂わされていく…という報道の在り方を問う内容。既視感を伴い脳内に映像が再生される流暢な文体と凄まじいまでの『虚々実々』な二人の攻防は、さすが脚本家で慣らしたと感じさせる臨場感ある読み応え。だが主人公のエゴイスト加減に好感を持てず、猜疑心や被害妄想からの異常な行動と心理状態にも共感どころを見出だせないまま。またラストの真実には驚きはしたが、本筋から外れた奇妙な違和感のみが残った。

  • ゆか さん

    報道に携わる人達のお話。自分がそちら側の人間ではない為、報道される側の方に感情移入した為か、主人声の女性を好きになれなかった。自分本位な行動に、こんな人が独断でテレビを介して報道するなんて怖いでしょ…と。ただ、こんな人は多くいるのでは…。抗議にものらりくらりとかわして、被害にあった人は泣き寝入りなんだろうなぁ〜と。著者は脚本家として知っていたのですが、小説を書いてるとは知らなかった。たまたま見かけて手に取ってみたけど頭が良いんでしょうね〜。爽やかな本が読みたくなる読後感でした。

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人物・団体紹介

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野沢尚

1960年愛知県生まれ。日本大学芸術学部卒。83年に城戸賞を受賞し、脚本家デビュー、シナリオの他小説も執筆。97年の江戸川乱歩賞受賞を皮切りに、99年に向田邦子賞、島清恋愛文学賞、2001年に吉川英治文学新人賞、02年に芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。ミステリー、恋愛、青春、家族物など奥深い独自世界を

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