豊国大明神の誕生 変えられた秀吉の遺言 中世から近世へ

野村玄

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784582477382
ISBN 10 : 4582477380
フォーマット
出版社
発行年月
2018年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
野村玄 ,  
追加情報
:
292p;19

内容詳細

死してなお、秀吉は悩みつづける―。文禄・慶長の役ののち、ポスト秀吉を巡って露わになった日本国独立の問題。後陽成天皇・秀頼・家康らの思惑が“一致”した時、神号「豊国大明神」はある切実な事情を託されていた。

目次 : 第1章 豊臣秀吉の遺体の出土・損壊とその背景(豊臣秀吉の三百年祭を目前にした衝撃/ 明治新政府と豊国神社・豊国廟 ほか)/ 第2章 豊臣秀吉の遺言とその奏上(さまざまな秀吉の遺言/ フランシスコ・パシオとジョアン・ロドゥリーゲスの証言 ほか)/ 第3章 秀吉の遺言変更と豊国大明神(遺言奏上の時期をめぐる政治的意味/ アレシャンドゥロ・ヴァリニャーノによる新八幡批判 ほか)/ 第4章 秀吉の遺言を改変した者たちのねらい(誰が秀吉の遺言を改変したのか/ 北政所(高台院)の行動の意味 ほか)/ 第5章 その後の徳川家康と豊国大明神(徳川家康の大坂城西之丸への入城/ 伏見城落城・関ヶ原合戦と豊国大明神 ほか)

【著者紹介】
野村玄 : 1976年大阪府生まれ。2004年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学、大阪大学)。専門は日本近世史。現在、大阪大学大学院文学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • MUNEKAZ さん

    秀吉の神号について、遺言では「八幡」とあったのがなぜ「明神」となったのか。朝鮮派兵の講和として受け入れた明の冊封から脱却を図りたい朝廷、「八幡」では源氏の祖先神になってしまう家康、とにかく守り神が欲しい豊臣家の3者の思惑が交差する瞬間を描きだしている。朝鮮派兵に対する後陽成天皇の関与やイエズス会側の資料を多く引用するなど興味深い部分が多いのだが、「天下人の神格化」というテーマをまだ消化しきれていないようにも感じる。著者は家康の神格化にも挑むそうなので、そちらにも期待。

  • うえ さん

    秀吉の墓所は寛文元年(1661年)より前に盗賊に荒らされていたようだ。「秀吉の廟は瓦葺きで、板に囲われており、内部は板敷きで、屍を収めるところは一段高い板間になっていた…盗賊がその高くなった板間を打ち破って敷石を押しよけ、埋まっていた「瓶」を掘り出し、中にあった副葬品を奪い取った…後日…人々は驚いて仕方なく元通りに「瓶」を埋め戻したが、移動された敷石は動かすことができず、そのままに打ち破られた板間を塞いだとのこと」1774年の秀吉の百五十回忌を経て、明治三十年に瓶(大甕)は再び地上に出現したのだという。

  • 田中峰和 さん

    壺に入った秀吉の遺体を三百年後発掘するとボロボロに崩れた。盗掘もされており、エジプトのミイラが思い浮かぶ。五大老、五奉行に遺言を残し、家康に泣きつく秀吉は小説に何度も登場する。この資料で面白いのは異教徒ポルトガル宣教師の残した記録が紹介されるところ。禁教令の公布後も国内にいた宣教師は、秀吉が死に際して新しい八幡神になることを宣言したことの矛盾をついている。一神教の彼らにとって、武将が神になるなど不遜の至り。後陽成天皇と秀吉の確執、家康の政権簒奪、暗躍など秀吉の遺言がいかに変えられたか資料として興味深い。

  • Oltmk さん

    如何に秀吉の遺言が変更されて秀吉が望んでいた新八幡から新しい神である豊国大明神へと変わったのか、変わる事を望んだ朝廷・家康・豊臣家の狙いを探った書籍。知名度の低くあまり引用されなかった史料を駆使して、歴史の裏側を探る描写がかなり面白かった。朝鮮征伐の時に秀吉が朝廷と天皇を関わらせようとして、天皇も自ら関わったのに対しいざ明との講和で天皇が邪魔になったら信長に架空の出来事を押し付けて天皇の存在を抹消しようとした秀吉の姿勢が、自分にとってグダグダだった朝鮮征伐が余計そんな印象を深めるものであった。

  • 甲斐祐貴 さん

    図書館で借りた本 秀吉の神号「豊国大明神」は、秀吉本人が意図したものではなく、遺言を変えた人々によって作られたものという、新たな発見。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

野村玄

1976年、大阪府大阪市生まれ。1998年、東京学芸大学教育学部卒業。2004年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)(大阪大学)。専門は日本近世政治史。大阪青山短期大学ことばと文化学科専任講師、防衛大学校人文社会科学群人間文化学科講師、同准教授、大阪大学大学院文学研究科准教授を経

プロフィール詳細へ

哲学・歴史・宗教 に関連する商品情報

おすすめの商品