破局 河出文庫

遠野遙

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309419343
ISBN 10 : 4309419348
フォーマット
出版社
発行年月
2022年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
遠野遥 ,  
追加情報
:
166p;15

内容詳細

後輩のラグビー指導に熱を入れ、就職活動を間近に控えた大学四年生の私は、友人のお笑いライブで、新入生の灯と出会う。やがて私は、幼馴染で成績優秀な恋人の麻衣子よりも、無邪気な新入生の灯に惹かれてゆくのだが…。社会への最適化を求める現代で、肉体も人生も鍛え上げた男の「破局」を冷徹な文体で描いた、第一六三回芥川賞受賞作。

【著者紹介】
遠野遥 : 1991年、神奈川県生まれ。2019年、『改良』で第56回文藝賞を受賞しデビュー。2020年、『破局』で第163回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    ラスト20ページの展開で、すごく残念なことになったのは何故だ……。麻衣子と一緒に逃げている気持ちになり、坂を下って男の背中を目ざして疾走した時の興奮はすごくよかったのだが。顔が好きだと思える女の子の性欲の増進は、いくらなんでも荒唐無稽。でも、何か期待させられてしまう若さのライティングのパワー。舞台の大学は母校だった。

  • yoshida さん

    独善と破綻。自身を倫理で律しつつ、他者には歓心が薄く独善で倫理観をあてがう。自身への他者からの拒絶。そこからの崩壊を描く。大学四年の陽介は自分を律し計画的に生活する。公務員試験の準備をし、鍛えた身体を維持し、恋人の記念日も準備する。だが倫理観の根拠が奇妙だ。所謂、最適解を求めるが実世界との解離があり、不穏な空気が流れる。新たな恋人の灯、元恋人の麻衣子も各々不穏さはある。お互いに最適解を求める為に断絶を埋めず、極端な崩壊を迎える。最適解を求める脆い社会への皮肉であろうか。性的な描写が多く好みは別れるだろう。

  • いっち さん

    3回は読んでる。『改良』は4回読んでる。『改良』は初読から面白いと思った。『破局』は最初読んだとき、好きではなかった。性描写が多すぎた。3回は読んでるので、何かは面白いと思った。ストーリーではない。では何か。文章、語り口が面白い。セリフを「」で書かず、地の文に入れて書いている箇所は、語り口が強調されている。元カノが13ページ話し続けるのも、その間主人公が反応しないのも、よくわからないが、自分なりに解釈することで、面白味を感じられた。登場人物が、真面目そうに見えるのに、結果的にふざけている感じが、良かった。

  • ナマアタタカイカタタタキキ さん

    感じたことや書きたいことが、あとがきにすべてまとめられていたので、補足するものが殆どなくなってしまった。一見常識人そうで、行動基準が欲を満たすことが最優先になっているため、どこか非人間的と感じさせる主人公と、逆に情緒のみで構成されていそうな膝との対比が印象的だった。しかし、両者は決して交わらない。──収まりが良い作品だなとは感じた。何となくだけれど、同著者の他作品の方が、面白いものが見つかりそうな気がする。

  • 千穂 さん

    芥川賞作品はよくわからないわ〜一流大学4年の主人公。頭脳明晰、ルックスも良くて、多分スポーツマン。何もかも思い通りの人生のようで。それでいて何か気持ち悪さを感じてしまう。人間らしくない⁈

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