古典について、冷静に考えてみました

逸身喜一郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000229500
ISBN 10 : 4000229508
フォーマット
出版社
発行年月
2016年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
210p;19

内容詳細

古典とは何か、何の役に立つのか、古典はどうして古典なのか。人文学全般に向かい風が吹くなか、十二名の古典研究者が、古典の深み、広がり、その豊かさを問い直す。

目次 : 1 「古典」の意義について、考えてみました(中国における古典/ 古典とクラシック―ことばとことがら)/ 2 「古典」の成り立ちについて、考えてみました(ゲーテの「世界文学」とヨーロッパの「古典」/ イギリス・ロマン主義時代の「古典」観/ ドイツの夢―「国民」と「古典」/ 『源氏物語』はいかにして「古典」になったか)/ 3 「古典」の多様さについて、考えてみました(マニ教の「宇宙図」―東西交流のしるし/ スラブ世界の古典語―言語の古層へ/ 古典演劇という幻想―生きて流動するもの/ 小学における「古典」―あらゆる学問の基礎)

【著者紹介】
逸身喜一郎 : 1946年生まれ。西洋古典学専攻。東京大学名誉教授

田邊玲子 : 1955年生まれ。ドイツ文学・ジェンダー論専攻。京都大学大学院人間・環境学研究科教授

身崎壽 : 1946年生まれ。日本古典文学専攻。北海道大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 壱萬弐仟縁 さん

    古典は多くの書物のなかに交ざった一冊であるにもかかわらず、あるとき特別な意味をもってあるひとに立ち現れることがある(H頁)。古典には古典固有の、考慮すべき要因があることが見えてくる。ひとつは普遍性と個々の言語の関係という問題であり、もうひとつは規範と変わりゆく社会、歴史性の問題である(ⅻ頁)。規範は、@同時代の、これから書かれる書物の規範 Aよき生き方、知恵の規範 B当該言語の規範 と異なった、ただし相互を排除することはない考え方(ID頁)。河合康三教授によると、清の乾隆帝による『四庫全書』の

  • 虎哲 さん

    編著者の逸見は「古典とは何か」を考えた場合に@普遍性と個々の言語の関係という問題A規範と変わりゆく社会、言わば歴史性の問題の2つの古典固有の、考慮すべき要因があると主張する。(16頁)この2つの問題は本書で度々扱われており、貫く重要なテーマの1つだと言える。「ナショナリズム」と結びつく古典というのが特にどの国にも見られた。「V「古典」の多様さについて、考えてみました」は今の私には力がなく分からなかった。身アによる「おわりに−古典教材談義」は示唆に富んでおり、改めて今後私が当たるべき本や論文が明確になった。

  • koyasho さん

    最後の身崎さんの文章は印象に残った。古典は固定化されたものではなくて、今の時代に価値ある知を発掘して作り上げていくのが古典だと。たしかに、「古典だから読むべき」ではなくて、「読むべきだから古典」が正しい姿。ゆえに、『万葉集』や『源氏物語』を、単に古典だからという理由でありがたがるのではなくて、なぜ今そうした昔の文章を読む意味・価値があるのか?を問い直して、それが見つからなければ古典から外す、ぐらいの柔軟な姿勢でいい。ちなみに、柳田国男が『源氏物語』には古典の価値がない、と言っていたという事実も面白い。

  • 良さん さん

    「何のために学ぶのか」古典を話題にしているが、学問の意義・目的は、広く人文学全体が、いや人類全体がもう一度取り組むべき問題ではないか。私は古典や源氏物語が専門だから、そこから考えていきたいと思う。 【心に残った言葉】急いで答を出そうとしないで、まずはじっくり考えてみよう。(オビ)

  • 夏みかん さん

    良くも悪くも「研究者が書いた本」って感じでした。話題がいっぱいあって面白いのですが、まとまりにかけます。一般人がイメージする古典の話題とはちょっと違います。でも、私には面白かったです。特に「古典」という言葉そのものの定義や出典のこだわりとか、古典演劇にまつわる話とかはとても興味深かったです。世界と日本との違いとか関わり方とか「歴史」にも通じる問題だと思いました。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品