大日本帝国最後の四か月 終戦内閣“懐刀”の証言 河出文庫

迫水久常

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309413877
ISBN 10 : 4309413870
フォーマット
出版社
発行年月
2015年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
317p;15

内容詳細

昭和20年4月鈴木貫太郎内閣発足。それは8・15に至る激動の4か月の始まりだった??。対ソ和平工作、ポツダム宣言受諾、終戦の詔勅草案作成、近衛兵クーデター……内閣書記官長が克明に綴った終戦。
[著者紹介]
1902‐77。二・二六事件当時の岡田内閣の首相秘書官、日本の終戦を決めた鈴木内閣の内閣書記官長を務める。公職追放の後、衆議院議員、転じて参議院議員になり、池田内閣の経済企画庁長官、郵政大臣を歴任。



【著者紹介】
迫水久常 : 1902‐77年。東京生まれ。東京帝国大学法学部卒。大蔵省入省後、二・二六事件当時の岡田内閣の首相秘書官、日本の終戦を決めた鈴木内閣の内閣書記官長を務める。戦後は公職追放のあと衆議院議員、転じて参議院議員(全国区)となり、池田内閣の経済企画庁長官、郵政大臣を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ころりんぱ さん

    終戦内閣となった鈴木貫太郎内閣の組閣から玉音放送までの4ヶ月、混沌とした政府の中枢で、まさに日本を動かした著者(今でいうと官房長官に当たるらしいが、イメージとしては大物すぎる最高官僚)の記憶と記録。一番びっくりするのは、早期の終戦を画策しながらも対外的には本土決戦、一億玉砕をガンガンにアピールしていた事。右翼や陸軍を暴れさせないためとはいえ、やっていることと言ってることがこんなに違うのかという政治ってものの恐ろしさを感じてしまう。当時の一般国民にとっては、終戦、玉音放送ってまさに青天の霹靂だっただろう。

  • Y2K☮ さん

    著者は大東亜戦争の終戦を決めた、鈴木貫太郎内閣の書記官長(今でいう官房長官)。岳父である岡田啓介の意向で内閣に入った。本土決戦に拘る陸軍を抑えて終戦に持っていくまでの様々な苦悩が綴られている。特にソ連にはまんまとしてやられた印象。ドイツ降伏後の火事場泥棒を予期して交渉していたが、相手が一枚も二枚も上手だった。国内では自分は閣僚入りを断ったのに裏で人事に不満を云う某元総理の心理が複雑怪奇。齢八十に近く、耳も遠くなっていた鈴木氏が大役を担ったのは驚きだが、彼のお蔭で日本国民が救われた事実には心から感謝したい。

  • り こ む ん さん

    「日本のいちばん長い日」と合わせて、読んでもらいたい一冊。終戦を迎えるまでの政治家たちの動き、一億総玉砕と本土決戦を主張する軍部と少しでも早く終結を試みる鈴木総理たち。板挟みになりながらも、建前では勇ましたく戦い抜くと言いつつも、水面下で終結工作をする努力と苦悩と心労を思うと…胃が痛くなる。明治維新で国が0からのスタートして、たいして時をたたずに、また0に…この間、日本は何を作り上げたのか?と、思いを馳せずにはいられない…そして戦後70年。日本は何処へ?どんな国になりたいのやか?平和を望、一人でも多くの

  • ともふく さん

    終戦時内閣の内閣書記官長迫水久常氏の記録。終戦の詔書の原案を起草したのも著者。終戦に向け臨機応変に立ち回り、40代前半で歴史を分ける仕事ぶりをした。すごい。この本を読み、ポツダム宣言受諾に昭和天皇の果たした役割の大きさを知った。天皇が国民を思う気持ちは深い。一方、あくまで国体護持のため竹槍で本土決戦を挑もうという軍人達。思想教育の力は絶大だ。しかし、日本人の精神力はすごい。敗戦から25年で米国に次ぐ経済大国に復活したのだ。敗戦の悔しさをバネにしたようだ。今の日本にも負けたくないという強い気持ちが必要か。

  • こまったまこ さん

    終戦内閣である鈴木総理の内閣書記官長を務めた迫水久常氏による内閣発足時から終戦後までを臨場感を持って辿る迫力の書である。他の本を読むと鈴木貫太郎は内閣発足時は一億玉砕を宣言していたし、阿南惟幾が最後まで徹底抗戦を叫んでいたとあり、外側からはやはりそう見えるのだなと思った。本書でどうしてそうしなければならなかったのか、苦しい内情が分かって良かった。終戦詔書を巡って漢学者が「義命ノ存スル所」を「時運ノ趨ク所」に変えてしまったばかりに戦後の政治が行き当たりばったりになった、と苦言を呈したのは正にそうだと思った。

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