基本情報
内容詳細
我々が“現在”の外へ出るために、いま“内在の哲学”の哲学的基盤が必要とされている。カヴァイエス、シモンドン、ドゥルーズ、バディウ、メイヤスーらを射程に、エピステモロジー、シミュラークル論、プラトニスムといった複線を展開、「内在」と「外」、そして「脳」へと、哲学界の俊英が思考の臨界に迫る。
目次 : 序 現在の“外”を思考するために/ 第1部 エピステモロジーとドゥルーズ(カヴァイエスの問題論的観点から見た科学的構造の生成―来るべきエピステモロジーのために/ ドゥルーズの科学論―問い‐存在に向かうプラトニスムの転倒。『差異と反復』の解釈/ エピステモロジーの伏流としてのスピノザ、あるいはプラトン―Knox Peden,Spinoza contra Phenomenology.French Rationalism from Cavaill`es to Deleuzeを読む/ ドゥルーズはシモンドンの議論をいかに理解し使用したか―ドゥルーズの忠実さと過剰さ/ アナロジーとパラロジー/ 存在論をおりること、あるいは転倒したプラトニスムの過程的イデア論―ポスト・バディウのドゥルーズ/ メイヤスーとバディウ―真理の一義性について)/ 第2部 カヴァイエス、ドゥルーズをへてスピノザへの回帰と“外”の思考(カヴァイエス、エピステモロジー、スピノザ/ カヴァイエスの哲学における「操作」概念の実在論的理解のために/ ある理論が美しいといわれるとき、その真の理由は何でありうるか/ カヴァイエスの「一般化の理論」の形式化に向けた考察―フロリディの「情報実在論」とカヴァイエスのフッサール批判/ 「問題‐認識論」と「問い‐存在論」―ドゥルーズからメイヤスー、デランダへ)/ 第3部 “内在の哲学”への道程(普遍的精神から、ネットワーク状のプシューケーでなく、特異的プシューケーへ―思考の脱植民地化とEndo‐epistemologyへの転回のために/ 「内在の哲学」序説―知性の問題論的転回/ 哲学の外部であり同時にその内在平面でもある「脳」―「思考するのはまさに脳であり、人間ではない。なぜなら人間とはひとつの脳的結晶化にすぎないのだから」というドゥルーズとガタリ『哲学とは何か』結論部の文言の読解について/ 郡司ペギオ幸夫『天然知能』の要約と注解/ 現代思想の古層と表層のダイアグラム)
【著者紹介】
近藤和敬 : 1979年生まれ。福井県で育つ。哲学者。大阪大学人間科学部卒業、同大学院人間科学研究科博士課程単位取得退学。大阪大学博士(人間科学)。専門はエピステモロジー、概念の哲学、現代思想。現在、鹿児島大学法文教育学域法文学系准教授。フランス現代哲学を基礎に、古代・中世・近代と時代を越えた哲学相互の関係・連環をさぐる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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