城と隠物の戦国誌 ちくま学芸文庫

藤木久志

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480510242
ISBN 10 : 4480510249
フォーマット
出版社
発行年月
2021年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
288p;15

内容詳細

村に戦争がくる!一世紀以上も戦乱が続いた戦国時代、村びとたちは命と財産を守るため、どのような対策をとっていたのか。鍵になるのは城や寺社等である。城郭内等に「小屋」を掛けて地域住民の戦時避難所としたり、家財や食料を隠物として穴倉に隠したり、預物として寺社や他所に預ける仕組みが出来あがっていた。豊臣秀吉による小田原城攻めや「九州征伐」にあっては、城内に大勢の領民が避難していたという記録が残されている。中世村びとの暮らしに迫った著者が、遺跡を歩きつつ、戦国の城を舞台に人々の危機管理の知恵を追う。

目次 : 1 城は民衆の避難所(中国古代の城郭の原像/ 西欧中世の城郭の原像を探る/ 危機管理の習俗の発見/ 戦国の城の維持・管理/ 戦国の城は村の避難所/ 秀吉軍襲来下の城)/ 2 隠物・預物の世界(穴を掘って埋める/ 隠物・預物の習俗)

【著者紹介】
藤木久志 : 1933‐2019年。新潟県生まれ。新潟大学卒業・東北大学大学院修了。文学博士。立教大学名誉教授。専攻、日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ゲオルギオ・ハーン さん

    戦国時代に村に住んでいた人々の危機管理と領民から見た城の機能について調べ、考察した一冊。戦国時代は戦が起きると村々は軍勢に一方的に蹂躙され、農民たちは全てを失うイメージがあったが、実際は農民たちはそこまで無策ではなく領主が勝つと見れば、領主の城に避難し、敗色濃厚と見れば山の中に作った小屋へと避難する。私物は多くは持っていけないので相互扶助関係のある村や土倉(金融業者)、寺に預かってもらったり、土の中に埋めたり、保証書を発行してもらったりとさまざまな対策を用意していた。

  • スプリント さん

    日本各地で大小の戦争が頻発していた戦国時代。 そんな中でも人々は力強く、したたかに生きていたことがよくわかる内容でした。

  • 翠埜もぐら さん

    中世の戦乱時に一般の人々がどう身体と財産を守ろうとしたか、村から離れ隠れ立て籠もった「城」と財産を隠し預けた「隠物」の考察。とにかく治世者は税は取り立てるくせに守ってはくれないので完全自力救済の世界。山間部と平野部のネットワークは広範囲で迅速でなければなりませんでした。寺社仏閣が避難所や沽券状の預け先になることは知っていましたが、常識であるがゆえに襲われやすかったと言えばその通りで、略奪消失した後はちゃんと権利証券の無効宣言がなされるとは面白いですね。

  • 浅香山三郎 さん

    前半では、戦国期の城が民衆の避難所としての機能を持ち、その空間ももつてゐたことを世界の城郭史研究、日本に遺る史跡の調査などを援用して論じる。また、後半では、銭甕の出土などに代表される財物の地中隠匿の慣習、地域社会のアジールであつた寺院への預物、隠れ穴など、戦時の民衆の危機対応の詳細を論じる。とくに後半は、1990年代後半の出土銭貨研究を踏まへてゐて、そこに戦時の危機対応や慣習の世界を絡ませて、この間の議論に幅を持たせるものになつてゐる。

  • mob さん

    このタイトルでジョルジュ・デュビィとか罰令権とか見るとは思わなかった。日中や日欧の比較は民衆避難所としての役割の普遍性を強調したのだろうが、後出ししてきた戦力としての性格や、解説で避難所より一義的には援軍収容場所と指摘された方に納得。戦は総力戦でもあるし、領民が逃散しては士気も下がるだろうと曖昧に受け取る。城の普請お任せシステムの紹介はとても興味深い。 預物の段取りや預かる名誉など初見の知識・価値観が充実。戦争直前の喧騒が想像できた。ところで戦国時代?に預けられた「ゑニコニコちゃわん」って何だろう。

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