ソーシャルブレインズ入門 「社会脳」って何だろう 講談社現代新書

藤井直敬

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062880398
ISBN 10 : 4062880393
フォーマット
出版社
発行年月
2010年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
18cm,226p

内容詳細

脳はポツンと1つで存在するのではない。人や社会との関係があって機能するものだ。「他者とつながる脳」の研究は、脳科学をどのように変えてゆくのか。注目のキーワードを、第一線の研究者が率直に語る。

【著者紹介】
藤井直敬 : 1965年、広島生まれ。東北大学医学部卒業。同大医学部眼科学教室にて初期研修後、同大大学院に入学、1997年、博士号取得。1998年よりマサチューセッツ工科大学にて研究員。2004年、帰国。理化学研究所脳科学総合研究センター象徴概念発達研究チームを経て、現在は、同研究所同研究センター適応知性研究チーム・チームリーダー。主要研究テーマは、コミュニケーションと社会脳の神経機構の解明。著書に『つながる脳』(NTT出版、毎日出版文化賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAKAPO さん

    ソーシャルブレインズとは「脳が社会に直面したときにいかにふるまうか」という意志決定の仕組。私達の行動の評価は、どこまで注意深く未来を読んでも、結局のところ最終的に相手が私達のふるまいをどのように感じるかに依存するという特徴がある。私達の行動は、理屈ではうまく説明できないような見えない条件に影響を受けている。社会的な影響を与える他人や環境などの条件は、各個人がそれぞれ独自に持っているものであり、絶対的なものではない。自分を照らして、社会を照らす手段としての科学を目指すのがソーシャルブレイン研究なのだ。

  • 月をみるもの さん

    習慣は、新しい状況における認知コストを劇的に下げるって言うのに納得。「自由」はとってもめんどくさいのだ。有名なスタンフォード実験にはいろいろ疑義がつけられてるみたいだけどミルグラムのほうは大丈夫なんだろうか https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E7%9B%A3%E7%8D%84%E5%AE%9F%E9%A8%93

  • サイバーパンツ さん

    自己と他者の脳が、たくさん集まって、相互に社会を作り上げていくというのがソーシャルブレインズである。要は、複雑ネットワークの脳科学版って感じですね。あと、ミラーニューロンはもちろんのこと、認知コストとか、リスペクトとか、著者なりの面白いタームも出てきて、なかなか興味深い。が、まだあまり研究されてる分野ではないので、超入門って感じでした。社会学とか複雑系とかとも絡められると思うので、これからの研究に期待。

  • 白義 さん

    人はなぜ社会の中で空気を読み、保守的になるのか。権威により倫理的制約を失うのはなぜか。そうした社会的な問題に、脳という物理的基盤からアプローチできるかもしれないよ、という本。まだはっきりソーシャルブレインという分野が固まったわけではなく、脳科学と社会心理学や文学を繋ぐ学際的な領域の導入的な本。脳と社会のネットワーク構造の相似、視線認知や顔認知など各論から面白い方向を切り開きかけているが食い足りなさが。人間の非倫理的側面、社会的な邪悪さが種として脳に根があるのかもしれないというのは重要

  • ちゃんぐ さん

    良書。ソーシャルブレインズを理解するということは、コミュニケーションのメカニズムを理解し、他者との関係性を最適化するメカニズムを明らかにすること(本文より)。昔コミュ障だった著者が「コミュニケーションとは何か?」を脳科学の分野から明らかにしようとする学問の入門書。豊富な示唆とちょっと変わった視点が想像力を掻き立てる。満員電車の中を脳ミソだけがプカプカと・・。リスペクト(無条件な存在肯定)が作る好意的な社会的文脈が認知コストを下げるとか。コミュニケーションの謎が解明されれば戦争は無くなるんじゃないだろか。

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