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教科書で読む名作セメント樽の中の手紙ほかプロレタリア文学 ちくま文庫

Yoshiki Hayama

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480434173
ISBN 10 : 4480434178
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2017
Japan

Content Description

これまで高校国語教科書に掲載されたことのある、プロレタリア文学のアンソロジー。教科書に準じた注と図版を付した。理解を深めるプロレタリア文学についての対談も収録。

【著者紹介】
葉山嘉樹 : 1894‐1945年。小説家。福岡県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 鷺@みんさー

    セメント樽は何回読んでも心胆寒からしめるなぁ。プロレタリア文学は究極のリアルホラーでもある。蟹工船を読むとつくづくそう思う。ちなみに、20年ほど前にブームになって読んだときは、自分がまだ社会人じゃなかったので、方言わかりづれぇべ!くらいしか思わなかった。ごめんよ小林多喜二。それにしても小林多喜二の遺体写真を資料で見たことがあるが、なるほど拷問死とはああいうものかと。どんな素人が見ても一発でわかる。叩き殺されると人間の体ってああなるんだな…

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    高校の教科書に載っていた『セメント樽の中の手紙』。これ、死んでも顧みられず、生活のために歯車として働き続けるしかない労働者の悲哀を怪奇小説ばりのタッチで描いているので一種の怪奇小説と読んでもいい作品かも・・・。『キャラメル工場』は学問がしたかった主人公の夢を妨げ続けた、ぐうたらで寄生虫のような父親に腹が立って仕方がない。『蟹工船』で希望に満ちた可能性の提示は、小林多喜二氏が全身が紫色の遺体になって還ってくるまで特高に拷問させられた事実を思うと只管、遣り切れないものがこみ上げてくる。

  • ロマンチッカーnao

    ゾクッとした。ってホラーとかサスペンスとか読んだ後の感想で表現するけど、表題作『セメント樽の中の手紙』を読んだ時は、ゾクッとするなんてもんじゃない感情に襲われた。肝が冷えると言うのかな、読んでいた本をギュッと握りしめた。表題作以外の作品もどれもすごい。大正、昭和前期の作品、作者が一文字一文字、魂を込めて書いたんだろうなって感じるものがあった。現代のパソコンに打ち込む作品とはなにか違うと感じた。

  • ネムル

    初めて読む「蟹工船」、仕事地獄文学はもとより対露の緊張感がややも排外ナショナリズムに走りがちな今の風潮に合致する。久々に読む「セメント樽の手紙」、プロレタリア乱歩で面白い。また乱歩と同題の「二銭銅貨」、黒島伝治はシベリアものが好きで期待したが、これは地味素朴もの、少し期待外れ。

  • ❁Lei❁

    プロレタリア文学に初挑戦。代表的な「セメント樽の中の手紙」「蟹工船」などは劣悪な環境下で搾取される労働者を描いた作品で、その残酷さに胸くそが悪くなりました。またどの作品も共通して、社会主義のイデオロギーを強く掲げんとする芯の強さを感じました。政治と結びついた文学は啓蒙思想が前面に出ていてあまり好みではないけれど、多くの労働者が現に搾取される世の中で、こういった文学は不可欠なのかもしれません。過去を知り、あやまちを繰り返さないためにも。

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