なぜ宮崎駿はオタクを批判するのか

荻原真

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784336053596
ISBN 10 : 4336053596
フォーマット
出版社
発行年月
2011年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
荻原真 ,  
追加情報
:
19cm,194p

内容詳細

なぜパズーはハトを飼っていたのか。なぜムスカは手帳に頼るのか。宮崎アニメーションに見られる対比、対立の論理をあざやかに読み解き、アシタカがサンに投げかけた言葉「共に生きよう」の意味の広がりを展望する。

【著者紹介】
荻原真 : 1958年東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。中央大学文学部卒業。思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • あび さん

    「タイトル詐欺だろこれ」的な気分にさせられながら読み進めていったのだが、最後の方で、「ああ、まあ一応詐欺ではないのか、うん」となった。今の子は、リアルの体験が希薄となり、全てバーチャル越しに見聞きしかしないので、感性が育たないし、想像力も養われないとの話は、宮崎駿が幾つかの著書のなかで語っていた。それについての言及だった。もっとオープンになって自然に接したり、異性に接したり、とにかく自分とは違うものを受け入れていけという話でした。そう思いますね。知らないことを楽しめるかどうかが、知性が育つかどうかになる。

  • mittsko さん

    扇情的なタイトルだが、内容は実に行き届いた宮崎駿作品論。2011年刊。著者は、この他にも少なくとも二冊の宮崎本をもつ。 ※ 筆者の批評の方法は「対比」。宮崎作品の諸表象を、作品横断的に「対比」させつづけることで、この一つの作品群が有する、複雑な意味連関をあきらかにする。単一の意味体系を引きずり出そうとは決してしないが、中盤から終盤にかけ「共生」が一貫したキーワードになっているのは、ある大きな意味領野を描こうとしているのだろう。そして最後に、宮崎自身の言葉をひいて、本書タイトルの問いに答えていく。お見事!

  • きゃのん さん

    すぐ読めた。 口承情報(シータのまじないや歌、風の谷のババ様の言い伝え)と文字情報(手帳に書き記すムスカ、ジコ坊の持つ朝廷の書付)の対比は面白い。普通は信頼されそうな文字情報(文字で記されているということは、権力者が支配している?)よりも、口承情報に真実があるというふうになっているという指摘。

  • ギルヲ さん

    宮崎駿がオタクを批判してるなんて聞いたことないなあと思いつつ読みましたが、最後にちょこっと出てくるだけでしかもこんなの批判のうちに入らないのでタイトル詐欺と言ってよいかと。著者は宮崎アニメにちゃんと向き合って検証を重ねて一冊の本を仕上げている印象でそこは好感を持てますが、宮崎アニメのファンならみんな感じている(知っていると言ってもいい)ことを言っているだけなので、だからなに感は拭えません。このタイトルじゃなかったら「ああ、そうそう」って懐かしい感じで読めたかも。残念でした。

  • きいち さん

    さまざまの比較や「共食」の価値などオリジナルの発見があり、「はじめて評論というものを読む14歳」のための入門書としてであれば優れた内容。飽き足らなかった読者は自然に、切通理作『宮崎駿の世界』に向かえるだろう。 だから、タイトルも装丁も造本も、決定的にターゲットを間違っている。作品に沿ったタイトルに太めのポップな書体と具体性の高いイラストの表紙、ヴィジュアルな本編、といった本であるべき。ちゃんと編集者が狙いを明確にしていれば、作者も、例えばレヴィストロースの使い方を誤らなかったろう。編集者の罪、だと思う。

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