軍隊と地域 郷土部隊と民衆意識のゆくえ 岩波現代文庫

荒川章二

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784006004361
ISBN 10 : 4006004362
フォーマット
出版社
発行年月
2021年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
446p;15

内容詳細

師団誘致、軍事演習、用地の強制接収、そして動員…近代日本の地域社会は軍隊・戦争をいかに受容したのか。一八八〇年代から敗戦までの静岡を舞台に、矛盾を孕みながらも地域に根づいていった軍が、やがては民衆生活を寸断・破壊していく過程を克明に描き出す。戦争研究・軍事研究に画期をなした名著、待望の文庫化。研究史の中に原著を位置付けた補章を加える。

目次 : 第1章 徴兵制と地域(地域に根づきはじめた軍隊と民衆の反応/ 本格的対外戦争の経験と“静岡連隊”の設置)/ 第2章 日露戦争と地域社会(静岡歩兵第三十四連隊の出動と戦争協力態勢の組織化/ 戦争反対論と講和反対運動/ 日露戦争後の軍拡)/ 第3章 総力戦時代とデモクラシー状況下の軍隊と地域(第一次世界大戦と静岡俘虜収容所/ デモクラシー状況下の軍と民衆/ 震災出動と山東出兵)/ 第4章 十五年戦争下の地域部隊(満州事変の衝撃/ 富士裾野演習場協定の改定/ 二度目の在「満」警備/ 日中全面戦争と「郷土部隊」の出動/ アジア太平洋戦争下の「郷土部隊」/ 軍用地の拡大と軍隊増設)/ 補章 『増補軍隊と地域』に寄せて(徴兵制軍隊のある社会―戦前と戦後の決定的差異/ 「軍隊と地域」の「と」に込めたもの/ 狙い・方法・対象/ 郷土部隊の形成と地域概念/ 『軍隊と地域』後)

【著者紹介】
荒川章二 : 1952年静岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、立教大学大学院文学研究科修士課程修了、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。静岡大学情報学部教授、国立歴史民俗博物館教授を経て、同博物館および静岡大学名誉教授。日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • nnpusnsn1945 さん

    静岡県における軍隊と地域の関係を読み解いた一冊である。日清戦争から十五年戦争終結まで静岡県の駿府、浜松(爆撃専門の航空隊)、三島(重砲兵連隊)は軍都として繁栄した。名古屋の第3師団所属の歩兵第34連隊は日露戦争時に橘周太中佐の活躍で知られている。大正軍縮では軍人忌避もあったが、昭和の戦争にて再び軍に対する人気が高まった。ちなみに満洲事変の戦況を解説する新聞記事の中には、捕虜を軍刀の錆としたとの内容も見られる。

  • ゲオルギオ・ハーン さん

    戦前の日本における軍隊と地域の関係について静岡を対象に研究した一冊。戦前となれば軍隊に対して支持が強かったと思いきや農業が忙しい時期に徴兵される時点で既に印象は良くない。駐屯部隊の誘致について経済効果が示されても、軍隊よりも工場などを誘致する方が健全と戦前から言われていたのは少し意外だった(実際、効果があるの送迎に訪れる人向けの宿や居酒屋、兵隊向けの風俗業で、部隊規模が大きくなれば御用商人とその関係者は潤う程度と限定的な印象)。演習場ともなると用地買収問題や農業に与える被害が多いなど問題点が多かった。

  • CTC さん

    4月の岩波現代文庫新刊、初出は01年青木書店([シリーズ 日本近代からの問い]の中の1冊)。著者は静大名誉教授。元々は民衆運動史が専門だったが、一橋大の藤原彰ゼミ出身でもあり、静大に赴任するに際して『静岡県史』の政治・軍事史担当を引き受けざるを得ず(著者は出身も静岡)このテーマに関わったそうだ。私は同県出身のため、大体の地域柄もわかっているので、膝をうつような記述にいくつも出会ったが…いくら静岡が万事平均的と謂われるお国柄とはいえ、地域性が物凄く出るテーマですよね。意図する研究になったのか…?(苦笑)。

  • てっき さん

    書店で気になって衝動買いした本。原著は2001年ということだが、地域研究を主体としているので、そこまで色褪せている印象はない。内容は静岡県における旧軍(=陸軍)と地域行政・住民との関係について、経済・文化(?)といった観点から分析したもの。あくまで地域目線であるため、軍事という国策に対して地域がどのように(反発を含め)対応していったか、という内容であり、軍事に関する記述にはある程度疑義がある点もあるが、地域研究として丁寧に記述されているので、内容面に一切の不満はない。

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