魂にふれる 大震災と、生きている死者

若松英輔

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784750516899
ISBN 10 : 4750516899
フォーマット
出版社
発行年月
2021年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;18

内容詳細

大震災と、妻の死をつなぐもの―西田幾多郎、鈴木大拙、田辺元、井筒俊彦、小林秀雄、柳田國男、池田晶子、須賀敦子など、日本思想史に連なる人々との「対話」を通過して、「死者の哲学」が立ち上がる。若松英輔のエッセンスが詰まった初期の代表作に三篇の新原稿を加えて編む。

目次 : 彼岸まで/ 1 悲しみの彼方(悲しむ生者と寄り添う死者/ 悲愛の扉を開く/ 協同する不可視な隣人―大震災と「生ける死者」)/ 2 死者と生きる(死者に思われて生きる/ コトバとココロ/ 没後に出会うということ/ 冥府の青/ 先祖になる/ 悲嘆する仏教者/ 死者の哲学の誕生)/ 3 「うつわ」としての私―いま、『生きがいについて』を読む/ 4 魂にふれる/ 5 増補(火の言葉―歌人・吉野秀雄の境涯/ 死者の沈黙)

【著者紹介】
若松英輔 : 1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、第16回蓮如賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • tamami さん

    以前の自分だったら、帯にある「生きている死者」という言葉にも、何という形容矛盾というような台詞を投げかけていたかも知れない。それが最近自分の身の周りに起こった出来事を切っ掛けに、反転することになった。本書で取り上げられている著者たちの文章は、以前から様々な機会に読んでいたのだが、それは印刷された文字を目でなぞるだけの読みではなかったか。今回、彼らに関わる「死」の事実と共に、著者若松さんのコトバを読むことで、行間に生きている死者の声を聴くような思いを覚えた。随分遠回りをしたけれど、この本に出会えて良かった。

  • ykshzk(虎猫図案房) さん

    正直「自分が体験していないものごと」に源を持つものごとを、自分はどれだけわかるのか。また、わかると思うことが許されるのか。と卑屈になることすらある。例えば自然災害もそうだし、著者と同じような体験(配偶者を若くして亡くす)をしていなければ、本当に著者が伝えたいことは受け止められないのではないか、とか、著者の文章をたまに目にするたびにそう思っていた。しかしそのモヤモヤは、文中に記されていた、田辺元が投げかける西田幾多郎哲学への問いの箇所で、少し解消された。不生不滅や、過ぎない時という考え方など、助けになる。

  • なおみ703♪ さん

    この本は既に読了したが、増補版を先輩にお借りすることができた。最初の詩とあとがきがとても良く、改めて増補を読み直してよかったと思った。著者の詩 「彼岸まで」「彼岸という 言葉のように 人は 亡き者の 姿を探して 彼方へと向かう だか 彼方は 遠くでは ないのかも しれない 人は 亡き者と 巡り会おうと 彼方を求める だか 彼方とは 人の心の 別の呼び名かも 知れない 亡き者たちは 生者が 気が付かない姿で いつも傍らに いるのかもしれない」…私の父母もそばにいてくれる気がする。

  • amanon さん

    死者が側にいる感覚…残念ながらその感覚を覚えたことはないが、そう感じることができた時、途轍もない慰めと同時に、その死者に直接触れることができない寂しさともどかしさを覚えるのではないか?と思わされた。タイトルにもある「魂」の存在。そう遠くないうちに、自分の魂も肉体から離れる。そしてその魂は誰かの側に居続けるのか?普段の生活の中でつい等閑にしてしまいがちな、大切なこと。そんなことをふと立ち止まって考えることを促す一冊というべきか。サクサクと読み進めることができるが、時折手にとって拾い読みする価値がある。

  • 法水 さん

    2012年に刊行された書籍に1篇の詩と2篇のエッセイをくわえた増補新版。最近、死者がそこにいるかのように振る舞う人物が登場するドラマや映画を立て続けに見たのだけど、本書を読むとそれが決して奇異な行動ではなく、古代から日本人には馴染みのある死者感なのだと気づかされる。表題作は愛妻の死について触れられているが、そこには初めて書かれた詩も含まれていて、現在の若松さんの原点を垣間見る思いがした。

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